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表層舗設直後のアスファルト 混合物層間のせん断強度

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国総研レポート2020(研究期間 : 平成 30 年度)
国土技術政策総合研究所 空港研究部 空港施設研究室
室長(博士(工学)) 坪川 将丈
主任研究官 河村 直哉

(キーワード) 空港、アスファルト舗装、せん断強度

1.はじめに
空港の滑走路のアスファルト舗装では、層間剥離が確認される場合がある。層間剥離は経年劣化により発生する場合もあるが、切削オーバーレイ工事の施工直後に何らかの原因により確認される場合もある。空港における切削オーバーレイ工事は、深夜から早朝に実施され、工事終了後の早朝から供用されることがほとんどであるが、仮に、舗設直後において表層-基層間の層間付着強度が十分に発現していない場合、舗設直後に航空機が走行することにより、層間の接着が失われる可能性がある。しかしながら、舗設直後の層間付着強度が計測された事例はない。
そこで、舗設直後の層間付着強度を確認することを目的とし、室内においてアスファルト乳剤(以下、乳剤)の種類や供試体養生温度を変化させて作成したアスファルト混合物供試体に対し、せん断強度を計測した1)ので報告する。

2.室内試験結果
幅100mm×長さ100mm×高さ50mmの型枠内に基層混合物を投入し、ローラーコンパクタで締め固め、室温まで冷却させた後、型枠から高さ50mmの基層ブロックを取り出す。次に、基層表面へ乳剤を塗布した後、基層上において基層と同様の方法で表層ブロックを舗設する。この手順により、基層厚50mm,表層厚50mmの供試体を作成する。最後に、供試体の基層ブロック側を固定し、載荷速度1mm/分により表層ブロック側を押すことによるせん断試験を実施した。
供試体の作成では、基層ブロック舗設後の養生及び乳剤塗布後の養生の温度を5℃・23℃とし、乳剤及び養生時間はPK-4(30分養生)、PKM-T(30分養生)、PKM-T+分解促進剤(10分養生。以下、PKM-T分解促進)とした。なお、せん断試験は供試体養生温度によらず23℃で実施した。
図に供試体養生温度5℃におけるせん断強度を示す。ばらつきはあるものの、表層舗設からの時間が経過しても、せん断強度に大きな変化はないと考えられる。この傾向は供試体養生温度を23℃としても同様であった。
以上のことから、せん断強度は、舗設直後の場合と、舗設から時間が経過した場合とで大差はないと考えられる。

図 供試体養生温度5℃におけるせん断強度

1) 坪川・河村・伊豆:表層舗設直後のアスファルト混合物層間のせん断強度、土木学会第74回年次学術講演会、2019 http://www.ysk.nilim.go.jp/kakubu/kukou/sisetu/pdf/201909a.pdf

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