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航空機地上支援車両(GSE)の 自動走行シミュレーションモデルの開発

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国総研レポート2020(研究期間 : 平成 30 年度~)
国土技術政策総合研究所 空港研究部 空港計画研究室
主任研究官 黒田 優佳
室長 高橋 良正
研究員 平野 誠哉
研究員 森井 達也

(キーワード) 航空イノベーション,自動運転車,交通シミュレーション

1.研究の背景と目的
航空需要が増大する中、空港供給側では、生産年齢人口減少による将来の労働力不足が懸念されている。国土交通省航空局はこれに対応するため、航空分野において先端技術・システムを活用する「航空イノベーション」の取組みの一環として、空港内を走行する航空機地上支援車両(GSE)への自動運転技術の導入を進めている。導入に向けて、空港内の運用面・施設面での受入れ環境整備を検討する必要があることから、GSEの自動化による空港内交通流への影響や課題を予め抽出することができるGSE自動走行シミュレーションモデルの開発が求められている。

2.GSEの動態把握とモデル化
空港内には、旅客を輸送するマイクロバスや、貨物を運搬するトーイングトラクターなど多種多様なGSEが存在する。各GSEはその役割や航空機の運航スケジュールに応じた作業行程に従い走行する(図-1)。

図-1 航空機の発着に伴うGSEの動き

また、空港内では航空機の走行が優先であり、GSEへの走行可能通路の設定や速度制限など空港毎に独自の交通規則が定められている。このためGSEの動きは、空港内交通に関する規程や現地の交通実態調査を基に、車種毎の作業行程、駐機場までの走行ルート、走行性能(加速度や前方車追従時の動き等)をモデル化した。加えて、自動運転によるGSEの動きは、自動運転技術の開発動向を踏まえ、現在の手動運転によるGSEとの走行性能との違いをモデル化した。

3.シミュレーションモデルによる交通流の評価
シミュレーション画像は動画再生により、空港内交通流の時系列変化を視覚的に確認できる(図-2)。また、シミュレーション結果から全GSEのブレーキ回数や走行時間の総量、渋滞の発生箇所を抽出することで、車両交通の安全性や効率性を評価できる。

図-2 シミュレーション画像のイメージ

4.今後の展開
 将来の自動運転車の走行性能や車種別の自動運転導入率等を複数ケース設定し、シミュレーションを行い、自動運転導入による影響を評価する予定。

☞詳細情報はこちら
1) 国土交通省航空局 第4回空港制限区域内の自動走行に係る実証実験検討委員会 資料2

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0905港湾及び空港
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