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地方都市における都市施設の広域連携事例に関する研究

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国総研レポート2020(研究期間 : 令和元年度~)
国土技術政策総合研究所 都市研究部 都市開発研究室
室長(博士(都市・地域計画)) 石井 儀光

(キーワード) 定住自立圏,連携中枢都市圏,立地適正化計画,公共交通,地域拠点

1.はじめに
人口減少が深刻な地方都市では、都市の生活を支える機能(医療・福祉・子育て支援・教育文化・商業等)において、サービスの需要量(利用人口)が一定規模を下回り、効率性が大きく失われることとなり、ひいてはそれら都市機能を維持することが困難になることが懸念されている。そのような地方都市では、自治体単独では維持が困難な都市機能を分担して整備する広域連携が求められている。
そこで、国総研では、地方都市における都市機能の広域連携の計画策定を支援することを目指して、「地方都市における都市機能の広域連携に関する研究」1)を実施している。ここでは、この研究の中から、都市施設の広域連携事例に関する研究について紹介する。

2.広域連携事例の収集と分析
地方自治体において新たに広域連携を検討する場合に、当該自治体と規模あるいは立地等の都市特性が似ている自治体において、どのような都市施設についてどのような連携が行われているのか、連携事例を調べる際に参考となる事例集を作成するため、研究の初年度は連携事例の収集を行った。
広域連携については、連携中枢都市圏2)や定住自立圏における広域連携の制度がある。また、立地適正化計画において市町村を跨ぐ広域の方針を示している都市圏がある。それらの中から具体的なビジョンや方針を策定している150圏域を対象として、連携している具体の都市施設の情報を収集して分析した。
施設を利用するために広域から住民が来訪することが想定される施設として、事例が多いものは病院や図書館・文化施設であった。一例として、宮城県大崎市の中心部にある大崎図書館を紹介する。蔵書数約20万冊の図書館に加えて、多目的ホールや研修室、学習室等を備えた複合施設である。連携により整備された図書館であり、周辺4町の住民も大崎市民と同じサービスを受けることが可能であり、圏域の拠点に位置づけられている。当初の想定を上回る利用者で駐車場が不足するという問題が起きるほど、多くの利用客があるとのことである。

写真 大崎市図書館内部

3.おわりに
次年度は、収集した連携事例の分析を進め、連携のパターン等を整理するとともに、連携した施設への公共交通によるアクセスを改善している事例について、具体の改善方法について資料の収集と分析を進める予定である。

☞詳細情報はこちら
1) 国総研記者発表資料 平成31年度国総研予算概算要求について p.4 http://www.ysk.nilim.go.jp/oshirase/press-release20180829.pdf

2) 総務省 連携中枢都市圏構想
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/renkeichusutoshiken/index.html

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