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海底熱水域での金属資源の生成メカニズムを数値シミュレーションで解明

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日本発の海底資源開発の実現に向けて

2020-11-20 京都大学

小池克明 工学研究科教授、冨田昇平 同博士課程学生、後藤忠徳 兵庫県立大学教授、鈴木勝彦 海洋研究開発機構センター長らの研究グループは、鉱床生成に重要な役割を果たす高温流体の挙動を明らかにする「熱水流動シミュレーション」に着目し、次のような海底熱水鉱床の生成メカニズムを世界で初めて明らかにしました 。

近年の世界的な経済成長・人口増加により陸域の金属資源の枯渇が懸念される中、海域の金属資源に注目が集まっています。特に、海底火山の近くで形成される「海底熱水鉱床」は鉱石の品位が高く、その豊富な資源量から、近未来の金属資源として期待されています。しかし、開発の実現に重要である海底熱水鉱床の生成メカニズムは十分には明らかになっていませんでした。海底熱水鉱床の開発は陸上とは異なり調査が難しく、コストがかかるため、生成メカニズムの解明、およびそれを利用した効率的な調査・解析手法の確立が求められています。

本研究によって明らかになった(1)鉱床生成の初期: 海底面から噴出した熱水と海水の混合によって海底面上に鉱石の集合体(鉱体)が形成される。(2)鉱床生成の成熟期: 水を通しにくい「キャップ層」の形成により、熱水の側方流動が生じる。また、海底下への低温海水の流入が抑制され、熱水の温度が上昇して沸騰することによって海底下に鉱体が形成される。 というシミュレーション結果は、実際の海域観測データとよく一致しています。海底熱水鉱床の生成メカニズムと形成条件を明らかにした本研究成果は、調査候補地を絞り込み、効率的な調査を行う上での貢献が期待されます。

本研究成果は、2020年10月13日に、国際学術誌「Geophysical Research Letters」のオンライン版で公開されました。

図:本研究で明らかとなった海底熱水鉱床の生成メカニズム(断面図)。

(a)鉱床生成の初期、(b)鉱床生成の成熟期。ブラックスモーカー:金属成分を多量に含んだ流体、ホワイトスモーカー:金属成分に乏しい流体。

詳しい研究内容≫

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0800資源工学一般
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