2026-05-29 土木研究所技術推進本部先端技術チーム,奈良先端科学技術大学院大学
本研究は、油圧ショベルによる地盤掘削作業を多様な地盤条件下でも安定して実行できるAI技術の開発を目的としている。研究では、機械土工用シミュレータ「Opera」と機械学習を組み合わせ、現場で取得できる少量の実データと、物理パラメータを変化させて生成した大量のシミュレーションデータを融合する手法を提案した。まず、実環境から得られた限られたデータを用いて、地盤特性や機械挙動に関するシミュレータの物理パラメータをベイズ推論によって推定する。次に、その推定結果に基づいてパラメータをランダムに変化させるドメインランダム化を適用し、強化学習によって環境変化に強い行動方策を学習する。これにより、事前に想定していない地盤条件にも柔軟に対応できる掘削動作の計画・実行を目指す。研究では、多様な地盤環境において油圧ショベルが頑健な掘削作業を実現できるかを実験的に検証し、建設機械の自動化・自律化技術の高度化に貢献することが期待されている。

<関連情報>
- https://thesis.pwri.go.jp/public_detail/1002981/
- https://thesis.pwri.go.jp/files/15230820586a14012b6bcbc.pdf
OPERA 機械土工用シミュレータの高精度化に関する共同研究報告書(2)ドメインランダム化強化学習に基づく油圧ショベルによる臨機応変な地盤掘削
味田 悟、橋本 毅、遠藤 大輔、山内 元貴、阿部 太郎、松原 崇充、角川 勇貴、Kim Gahee、Alcantara Tacora Sandro Manuel
共同研究報告書 第633号
発表年月日:2026/05/29
抄録
本研究では,Opera シミュレータおよび機械学習を用いて,現場で収集された少量のデータと,物理パラメータをランダム化して生成するシミュレーションデータを融合することで,油圧ショベルによる臨機応変な地盤掘削動作の計画・実行を可能にするAI 技術を開発することを目的とする.この目的達成に向けて,実環境で収集される少量のデータから物理シミュレータのパラメータをベイズ推論するAI 技術と,推定されたパラメータ分布に基づいてパラメータをランダム化しながら頑健な行動方策を学習するドメインランダム化強化学習によるAI 技術を開発する.多様な地盤環境において,油圧ショベルによる頑健な掘削作業が実現可能であるかを実験検証する.

