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下水処理場におけるコンクリート構造物の炭酸劣化に関する実態調査

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2020-09-24  日本下水道事業団 技術課発企画課
○細川 和也,橋本 敏一

はじめに

■ これまでの取組み(JS)
下⽔処理場で発⽣する硫化⽔素に由来した硫酸によるコンクリート構造物の腐⾷への対
策技術として、コンクリート防食技術の調査研究を継続的に実施、および、その成果に基づ
いた技術基準(JSマニュアル)の整備に取り組んできた。
※1987年に「コンクリート防食塗装指針(案)」を制定。以降、複数回の技術評価や指針改定を実施。
※「JSマニュアル」︓下⽔道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル

■ 一方、反応タンクでは…
微⽣物による有機物の酸化等により発⽣する、二酸化炭素を起因とするコンクリート構造物の劣化が⽣じる。
しかし、その発⽣状況や劣化機構等に係る知⾒が不⾜している(JSマニュアルの対象外)。

気相部 → 炭酸ガスによる中性化。
液相部 → 侵⾷性遊離炭酸による化学的侵⾷。

⇒ 下⽔処理施設(反応タンク)における、劣化の発⽣・進⾏状況や劣化環境
の把握を目的とし、2箇所の下⽔処理場で現地調査を実施。

まとめ

2箇所の下水処理場の反応タンクを対象とした現地調査の結果を、以下に示す。
 反応タンク気相部には高濃度の炭酸ガスが存在している。また、施設の運転方法等に
よりその濃度には大きな違いが⽣じる。
 反応タンク液相部では、部分的ではあるがコンクリート表⾯の溶出や骨材の露出が確
認できた。このことから、侵食性遊離炭酸による劣化が進⾏しているものと考えられる。
 中性化深さ測定では、嫌気タンクでの中性化の進⾏は確認できなかった。好気タンクで
は測定箇所の違い(流下方向)による差異は⽣じなかったが、液相部では深層部に
対し、浅層部での進⾏が速いことが確認できた。

今後の展望

 下⽔道施設のコンクリート構造物における炭酸劣化の実態について、調査を継続し、更なる知⾒の蓄積を進める。
 炭酸によるコンクリート劣化の対策に係る技術基準の策定等、総合的な腐食・劣化対策を確⽴を目指す。

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