ad

河川再生の情報共有と協働の交流基盤構築に関する研究 -日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)の活動-

ad
ad
ad

A report on the development of exchange platform for information sharing and collaboration toward river restoration: Activities of the Japan River Restoration Network

リバーフロント研究所報告 第 31 号 2020 年 9 月

水循環・水環境グループ 研 究 員 和 田 彰
技 術 参 与 土屋 信行
自然環境グループ 研 究 員 澤田みつ子
自然環境グループ 研 究 員 白尾 豪宏
まちづくり・防災グループ 研 究 員 阿 部 充
まちづくり・防災グループ 研 究 員 佐 治 史

1.はじめに
「日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)」は、川づくりについて共に考え、次の行動へ後押しする未来志向の情報交換・共有を通じ、各地域に相応しい川づくりの技術や仕組みづくりの発展に寄与することを目指して 2006 年より活動を始め、当研究所が事務局を担っている。また JRRN は、「アジア河川・流域再生ネットワーク(ARRN)」の日本窓口として、中国や韓国などARRN 会員や海外関係機関との連携を通じ、日本の優れた知見を海外に向けて発信し、同時に海外の素晴らしい取組みを日本国内に還元している。
本稿では、2019 年度の JRRN の国内外活動として、川づくりに関わる情報共有基盤の整備、川づくりの担い手の育成に向けた普及・啓発や、協働・支援、国際的な技術交流について報告する。

2. 2019 年度の JRRN 活動内容
2-1 川づくりに関わる情報共有基盤の整備
国内外の川づくりに関連する報道ニュース、行事情報、活動事例、新刊案内、行政ニュース等について、JRRN/ARRN ウェブサイト、facebook、YouTube、ニュースメール、ニュースレター等を通じて広く社会に発信した(表-1)。また、JRRN 会員や海外連携機関(ARRN会員組織、英国河川再生センター、欧州河川再生センター等)からの川づくりに関わる各種提供情報の共有を図り、川づくりに関わる情報の普及に努めた。

表-1 2019 年度 情報共有の活動実績 ※( )前年度
河川再生の情報共有と協働の交流基盤構築に関する研究 -日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)の活動-
2-2 川づくりの担い手の育成に向けた普及・啓発や協働・支援
川づくりの普及・啓発と人材育成を目的とした行事を企画・運営し、また全国の川づくり団体が取り組む活動の協働・支援を担った。
(1)「桜のある水辺風景 2019」公募及び写真集制作
水辺がつくる美しい景観の未来への継承を目的に桜のある水辺写真を募集し、37 名・71 点の応募作品を写真集としてとりまとめウェブサイトで公表した。
(2)水辺でできる「小さな自然再生」の全国普及
JRRN は、「小さな自然再生」研究会の運営幹事として、市民が河川や水路の管理者と連携し日曜大工的に自然再生を行う水辺の小さな自然再生の普及促進に取組み、2014 年より自由集会やシリーズ現地研修会等の交流・研修行事の開催、また事例集やウェブサイト、データベース等の支援ツールを制作してきた。
今年度は 2014 年度に発行した「水辺の小さな自然再生事例集」の続編として、全国の小さな自然再生の担
い手の協力を得て、最新の知見や新規 14 事例を盛り込んだ「水辺の小さな自然再生事例集 第 2 集」を制作・
発刊し、全国に普及させた。


図-1 川づくりに関する冊子発行
左) 桜のある水辺風景, 右) 小さな自然再生事例集

(3)川づくり団体との協働・支援
JRRN 会員を含む川づくりに関わる諸団体が取り組む公益活動に対して、企画や行事開催、広報等の支援や協働活動を担った。(表-2, 写真-1)

表-2 2019 年度 国内の協働実績

写真-1 左)秋田県研修協力, 右)応用生態工学会協働

2-3 川づくりの国際的な技術交流
ARRN 事務局及び日本窓口組織として、ARRN 会員による技術交流を目的に毎年開催する『水辺・流域再生国際フォーラム』を運営し、日本における川づくりの経験のアジアにおける普及を図った。
また、川づくりに関わる海外政府機関や研究機関が主催する行事へ参加するとともに、来日視察団との技
術交流や研修受け入れに際しては、国内行政機関の協力を得ながら日本における川づくりの技術、施策、具
体事例等の橋渡しを担った。(表-3, 写真-2)

表-3 2019 年度 国際的な技術交流実績

3.おわりに
本活動は、JRRN 会員及びアジアにおける ARRN 会員や河川再生に関わる国際機関の協働で成り立っている。また、水辺の小さな自然再生の普及に関わる取組みは、(公財)河川財団の河川基金の助成を受け、「小さな自然再生」研究会との協働で実施した。JRRN 活動にご支援・ご協力頂いた皆様に厚く感謝を申し上げる。
JRRN には、川づくりの技術向上や人材育成に向けた支援要請や連携提案が国内外より届いており、引き続き多様な分野の関係者のつながりを拡げながら、川づくりの普及啓発や協働の機会を増やし、河川に関る課題を共有しより良い未来の創出を目指していく。

写真-2 2019 年度の国際的な技術交流実績

ad
0904河川砂防及び海岸海洋
ad
ad


Follow
ad
ad
タイトルとURLをコピーしました