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水を加えるだけ:ポリマーによる混合ガスからの CO2 除去機能を強化するシンプルステップ

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(Just Add Water: Simple Step Boosts Polymer’s Ability to Filter CO2 From Mixed Gases)

2019/10/1 アメリカ合衆国ノースカロライナ州立大学(NC State)

・ NC State を中心とした国際研究チームは、混合ガスから選択的に CO2 を除去するポリマーの機能を飛躍的に高める手法を開発。
・ 通常、材料のガス透過性が向上すると、材料の選択性は低下する。例えば CO2 の場合、透過性が高まると、同時に他のガスも材料を透過してしまうため、混合ガスからの CO2 除去機能は低下する。ポリマーをガス分離メンブレンとして機能させるには、この相殺作用を考慮しなければならない。
・ 新技術では、材料を水に浸すだけで、ポリマーの CO2 透過性が飛躍的に向上すると同時に、CO2 の選択性もわずかに向上。
・ CO2 をろ過して取り除くポリマーメンブレンは、例えば天然ガスから CO2 を除去し、産業施設からの放出を制限するために隔離するなど、様々なアプリケーションでの使用が期待されている。
・ 本研究で使用したポリマーは、広範囲にわたる現代技術において望ましい特性を備えた、比較的強靭で再利用可能な熱可塑性エラストマー。
・ 本研究ではまず、同ポリマー材料の形態(ポリマー分子を構成する分子配列)が、その CO2 選択性メンブレンとしての機能に、どのように影響しているかを調査。
・ ガスのポリマー透過性は、通常バーラー(Barrer)で測定する。本研究論文によると、乾燥時には、ポリマーの CO2 透過性は、30 バーラー以下。過去の研究では、原料が水蒸気を含むと、CO2 透過性は高まり、相対湿度 85%超で 100-190 バーラーまで上昇した。
・ これらの結果により、湿度 90%超で 500 バーレーの透過性が達成可能なことを実証。同時に、CO2 の窒素(N2)に対する選択性は 60 程度まで上昇。CO2 回収に使用される、最高品質の市販のポリマーメンブレンの CO2 透過率は約 200 バーレーで、CO2/N2 選択性は 50 程度。競合的なメンブレンを得るためにはこれら両方の指標を同時に考慮することが重要。
・ 本研究は、産業ガスの分離や炭素回収技術に使用できるポリマーのポテンシャルを実証するもので、製造効率の向上や、地球気候変動軽減の取組に有効。また、ポリマーメンブレンの形態を変換する未知のより効率的な経路を提供し、気体輸送特性を大幅に向上させる。
・ 本研究は、欧州委員会(EC)による Horizon 2020 research and innovation program の NanoMEMC2 project とノースカロライナ州立大学 Nonwovens Institute より支援を得た。また、米エネルギー省 (DOE)の Office of Science User Facility でアルゴンヌ国立研究所(ANL) が運営する、DOE のユーザー施設の Advanced Photon Source を利用した。
URL: https://news.ncsu.edu/2019/10/water-boosts-co2-filter/

(関連情報)
NPG Asia Materials 掲載論文(フルテキスト)
Highly CO2-permeable membranes derived from a midblock-sulfonated multiblock polymer after submersion in water URL: https://www.nature.com/articles/s41427-019-0155-5

<NEDO海外技術情報より>

Abstract

To mitigate the effect of atmospheric CO2 on global climate change, gas separation materials that simultaneously exhibit high CO2 permeability and selectivity in gas mixtures must be developed. In this study, CO2 transport through midblock-sulfonated block polymer membranes prepared from four different solvents is investigated. The results presented here establish that membrane morphology and accompanying gas transport properties are sensitive to casting solvent and relative humidity. We likewise report an intriguing observation: submersion of these thermoplastic elastomeric membranes in liquid water, followed by drying prior to analysis, promotes not only a substantial change in membrane morphology, but also a significant improvement in both CO2 permeability and CO2/N2 selectivity. Measured CO2 permeability and CO2/N2 selectivity values of 482 Barrer and 57, respectively, surpass the Robeson upper bound, indicating that these nanostructured membranes constitute promising candidates for gas separation technologies aimed at CO2 capture.

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