嫌気性消化の導入によりガス化・汚泥減容化を実現
2019-03-25 国総研
国総研では、国土交通省が進める B-DASH プロジェクト※1において、「小規模下水処理場を対象とした低コスト・省エネルギー型高濃度メタン発酵技術」の実証研究を長岡市中之島浄化センターにて進めており、その実証施設の運転を開始しました。
※1 B-DASH プロジェクト:Breakthrough by Dynamic Approach in Sewage High Technology Project 下水道における新技術について、民間企業、地方公共団体、大学等が連携して行う実規模レベルの実証研究
1.背景
嫌気性消化による汚泥処理では、消化ガスとしてエネルギー回収が可能ですが、小規模処理場では嫌気性消化方式の汚泥減容化は採算がとれない場合が多く、導入が進んでいない現状があります。国土交通省ではこの問題を解決するため、下水道革新的技術実証事業(B-DASH プロジェクト)において、平成 30 年度より、国総研からの委託によって、小規模下水処理場を対象とした嫌気性消化技術として「小規模下水処理場を対象とした低コスト・省エネルギー型高濃度メタン発酵技術実証研究」を実施しています。
2.本技術の特徴
本技術は、「汚泥の高濃度濃縮技術と高濃度消化技術の組み合わせ、設備のコンパクト化・ユニット化、消化ガス発生量に応じて出力制御可能な発電設備」により、小規模下水処理場への嫌気性消化方式の導入促進を実現しようとするものです。汚泥の減容化と消化ガス回収によって汚泥処理コスト削減に貢献します。脱水機を濃縮機としても活用し、高濃度化することで消化槽容積を削減可能であり、付帯設備をユニット化することによって導入コスト削減だけでなく維持管理性の向上も期待されます。
3.実証研究の概要
研究委託者:国土交通省国土技術政策総合研究所
研 究 体:大原鉄工所・西原環境・NJS・長岡技術科学大学・北海道大学・長岡市共同研究体場 所:中之島浄化センター(新潟県長岡市)
内 容:本技術を小規模下水処理場へ導入した際の処理性能や安定性、総コスト(年価換算値)の縮減効果を実証する。
(問い合わせ先)
国土技術政策総合研究所 下水道研究部 下水処理研究室 田隝・太田・粟田