2026-02-26 国土技術政策総合研究所
国土技術政策総合研究所は、東京湾を対象に、海生生物の広域的な生息場ネットワークを定量化する手法を検討した。脱炭素社会に向けブルーインフラ整備が進む中、整備地点単体ではなく周辺生息地との連結性評価が課題となっている。本研究では、東京湾に広く分布し遺伝的に不均一な集団を形成するホソウミニナを対象に、マイクロサテライト分析による血縁度データから生息場間のネットワーク強度を算出した。その結果、底質の中央粒径が小さい場所ほどネットワーク強度が高い傾向を確認し、移動特性と整合する妥当な指標を提示した。
国総研資料 第 1332 号

図-1 研究における本検討の位置づけ.本検討では を実施
<関連情報>
- https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn1332.htm
- https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn1332pdf/ks1332.pdf
【概 要】
近年,脱炭素社会の実現に向けた取組みが加速する中,ブルーインフラの整備が進められている. これまでは整備箇所における評価が主であり,生物が整備箇所と周辺の生息場の間の往来で形成される 生息場ネットワークによる広域的な環境への効果は評価されていない.本検討では,広域的な効果の評価 に向けて,東京湾に広く分布し,東京湾内に遺伝的に不均一な集団を形成するホソウミニナを対象に, 東京湾において,マイクロサテライト分析を用いた血縁度に基づく生息場ネットワークの定量化について 検討を行った.その結果,本種の生息場ネットワークの強さの指標を定量化できた.また,生息場ネットワークの強さは, 底質の中央粒径が小さい生息場ほど高くなる傾向が示され,これはホソウミニナの移動の観点から 推察される生息場ネットワークの強さの傾向と適合したため,妥当な指標であることが確認できた.
【担当研究室】
海洋環境・危機管理研究室
【執 筆 者】
玉上和範、秋山吉寛、三戸勇吾(復建調査設計(株))、野口大毅((株)日本総合科学)、
柚原剛(国立環境研究所)、内藤了二、岡田知也

