2025-03-27 運輸安全委員会
概要
報告書番号:RA2025-2-2
発生年月日:2023年04月11日
区分:鉄道
発生場所:本線 越中三郷駅~越中荏原駅間[富山県富山市](電鉄富山駅起点6k086m付近)
事業者区分:中小民鉄
事業者名:富山地方鉄道株式会社(法人番号 5230001002133)
事故等種類:鉄道人身障害事故
人の死傷:死亡
都道府県:富山県
概要:
富山地方鉄道株式会社の本線上市駅発電鉄富山駅行き2両編成の上り第1024列車の運転士は、令和5年4月11日(火)、越中三郷駅を定刻(10時16分)に出発し、上り勾配の左曲線を速度約78km/hで力行運転中、複数の作業員が線路内にいるのを発見した。このため運転士は気笛を吹鳴するとともに直ちに停止手配を執ったが、同列車は複数いた作業員のうちの1名と接触し、約82m走行して停止した。この事故により同作業員は死亡した。
列車には乗客10名と運転士1名が乗車していたが、負傷者はいなかった。
原因:
本事故は、保線作業の業務において、作業員が列車の接近に気付かずに本線上で作業を継続していたため列車と触車したことにより発生したものと推定される。
作業員が列車の接近に気付かずに作業を継続していたことについては、富山地方鉄道株式会社の社内規程である「技術関係従事員触車事故防止要領」に定められた見張り業務に専念する列車見張員が配置されていなかったことによって列車接近の合図が行われなかったためと推定される。
列車見張員が見張り業務に専念していなかったことについては、同社において、保線作業時の安全に関する取扱い、「技術関係従事員触車事故防止要領」の教育が徹底されていなかったためと考えられる。
また、同社において、保線作業時の安全に関する取扱いが徹底されていなかったことについては、過去の同種事故に対する認識が薄く、現場の対策状況を把握していなかったことが関与した可能性が考えられる。
死傷者数:死亡:1名(係員)
公表年月日:2025年03月27日
報告書(PDF):公表/説明資料