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奄美大島沖にて有望な海底熱水鉱床を新たに発見

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高品位の金・銀を含む亜鉛・鉛鉱床「天美(あまみ)サイト」

2020-03-24 石油天然ガス・金属鉱物資源機構

JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:細野 哲弘)は、2019年8月から10月にかけて実施した海洋鉱物資源調査によって、鹿児島県奄美大島沖にて新たな海底熱水鉱床を発見しました。
本鉱床は今まで海底熱水鉱床の存在が確認されていなかった奄美大島沖で発見され、かつ沖縄海域の他の鉱床と比較して浅い水深に存在していることから、この度の発見は調査対象海域の拡大に寄与することが期待されます。
今後、JOGMECは本鉱床に対して海底観察、物理探査、ボーリング調査等を行い、鉱床の水平的な広がりや金属含有量(鉱石の品位)を詳細に把握して資源量を評価する予定です。

硫化鉱チムニー(近傍で試料1を採取)

本鉱床はこれまでにJOGMECが中部沖縄海域で発見した海底熱水鉱床の中では最北端に位置し、海底熱水鉱床の存在が確認されていなかった海域で発見されました。JOGMECではこの海底熱水鉱床を、奄美大島沖に位置すること、晴天の澄んだ空のような鮮やかな青色(天色)をした奄美大島周辺の豊かな海にちなみ、「天美(あまみ)サイト」(仮称)と呼称することといたしました。
採取した7試料を分析した結果、平均で銅1.52%、鉛11.07%、亜鉛16.37%、金32.5グラム/トン、銀8,322グラム/トンの品位が得られ、亜鉛・鉛を主体に、これまでにない高品位の金・銀を含む有望な鉱床となることが期待されます。

経緯

JOGMECは経済産業省から委託を受け実施している海洋資源調査業務の一環として、日本の排他的経済水域において海底熱水鉱床を発見するための広域的な地形調査、海底観察、物理探査、ボーリング調査等に継続的に取り組んでいます。
沖縄海域においては、船舶に搭載したマルチビーム音響測深機(MBES)による概査的地形調査を、奄美大島沖から沖縄本島南西方までの中部沖縄海域で広範囲に実施してきました。その結果、JOGMECはこれまでに7つの鉱床を発見してきており、これらの鉱床の特徴を解析して、その知見を積み重ねています。そして今回、MBESのデータから新たに既知の鉱床に類する海域を抽出し、令和元年8月にAUV(自律型無人潜水機)を用いた精密海底地形調査を、同年10月にROV(遠隔操作無人探査機)を用いた海底観察・サンプリング調査を実施し、8つ目の鉱床を発見するに至りました。

調査の概要

ROVによるサンプリング調査

AUV調査は、船舶のMBES調査から抽出した南北約2キロメートル、東西約3キロメートルの海域に対して実施しました。この調査によって、直径約100メートル×高さ30メートルの円錐形の小丘地形と、煙突型の構造物を複数捉えることができました。さらに、海底からの熱水の噴き出しを強く示唆する、センサーの反応と音波の反射を検出しました。
続くROV調査では、ハイビジョンカメラを搭載したROVを潜水させ、船上のモニターを介して実際の海底を観察しました。ROVは延べ16キロメートルを走行し、300度を超える熱水の噴き出しを複数個所で確認することができました。さらに、岩石のサンプリングにより円錐型の小丘と煙突型の構造物が硫化鉱のマウンドとチムニー(注)であることが判明しました。採取した試料を分析した結果、従来の沖縄海域で発見された鉱床と比較すると亜鉛・鉛に富み、特に金・銀については高い含有量が認められています(表1)。
従来の沖縄周辺の海底熱水鉱床は水深1,000メートル以上の場所に存在していますが、本鉱床は水深500メートルから750メートルのより浅い水深に存在します。さらに、これまで海底熱水鉱床の存在が確認されていなかった海域で発見されたことから、本鉱床の今後の調査には、海底熱水鉱床に関する新たな知見獲得と今後の調査対象海域の拡大に寄与することが期待されます。今後もJOGMECは海底熱水鉱床の資源量確保のため、これまでの探査手法に今回得られた知見を加え、新たな鉱床発見に向けて精力的に調査に取り組んでまいります。

試料3 銅1.59%、鉛9.17%、亜鉛16.30%、 金59.60グラム/トン、銀27,514グラム/トンを含む

試料5 銅2.69%、鉛21.76%、亜鉛29.30%、 金22.80グラム/トン、銀888グラム/トンを含む

(表1)「天美サイト」で採取した試料の分析結果

(表1)「天美サイト」で採取した試料の分析結果

沖縄海域における海底熱水鉱床発見のニュースリリース

用語の説明

(注)マウンド、チムニー
海底熱水活動によって海底に生成される煙突状の構造物を「チムニー」と呼びます。熱水が海底面から噴出し、その周辺に金属成分等が沈殿することにより煙突状の構造物がつくられたものとされています。チムニーは、成長、活動停止、倒壊を繰り返すことで、周辺に礫状の鉱石塊や沈殿物を堆積させ、長年の間に硫化物からなる丘状の地形「マウンド」を形成します。

この記事に関するお問い合わせ先

金属資源技術部 海洋資源調査課栗原、天藤

広報課高橋

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