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家屋・家財の水害リスク評価と 対策導入推進のための手法開発

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国総研レポート2020(研究期間 : 平成 27 年度~令和元年度)
国土技術政策総合研究所 気候変動適応研究本部
水防災システム研究官(博士(工学)) 服部 敦
研究総務官(博士(工学)) 天野 邦彦

(キーワード) 水害リスク評価,建物浸水,気候変動適応策

1.家屋・家財の水害リスク低減対策を進展させる
近年の温暖化の影響と甚大な水害の発生を鑑みると、河川における治水施策を着実に進捗させるとともに、その整備水準を超過する洪水に対して流域で取り得る諸施策を総動員して水害リスクを低減させることが重要であろう。人的被害低減については、情報提供や避難など対策の進展が目覚ましい。以下では、家屋・家財の浸水対策をさらに加速させることを目標として、戸別対策導入を推し進め、それにより地域の総被害を低減させるアプローチによる水害リスク低減手法について研究した成果を報告する。

2.対策の導入実現性と水害リスク低減効果の両立
戸別対策として家財の高所移設、防水板(壁)および宅地嵩上げを主対象とした。一般に水害リスクが高い、すなわち家屋・家財が高額かつ浸水の発生確率・水深が大きいほど費用に見合った便益が見込め、対策の導入実現性が高くなるであろう。
また地域の観点からは、水害リスクが大きく、高い実現性を有する建物が多くを占め、かつそれらの総被害低減額(総便益)が大きな地域において優先的に対策を進めるのが効果的と考えられる。
提案した手法は、導入実現性を費用便益比で評価し、上記の条件に合致する地域と建物(住居・事業種別)および戸別対策の種類を選定するものである(図-1参照)。本手法は、図-2に結果の一例を示す建物種別の水害リスク評価に基づいている。各建物の資産(脆弱性)と立地(ハザード)を反映して水害リスク(確率年と被害額の関係)が推算される。

3.成果の活用
本研究の報告書1)は、実務適用の利便性を考慮し、調査・計画・対策推進の段階に対応した章立てとしている。対策推進(5章)では、国内外の先進事例と都市計画・建築・住宅等の制度をとりまとめている。建物・地域の特徴に応じた対策検討への活用が期待される。

図-1 リスク評価に基づく戸別対策の導入推進手法

図-2 建物種別の水害リスク評価(コンビニの一例)

☞詳細情報はこちら
1) 国総研資料 No.1080 364p.http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn1080.htm

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