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南阿蘇鉄道 高森線 立野駅構内で発生した重大インシデント[本線逸走](令和6年4月15日発生)

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2026-02-19 運輸安全委員会

九州旅客鉄道株式会社豊肥線から南阿蘇鉄道株式会社高森線へ直通する下り第1453D列車(1両編成)は、立野駅停車時に常用・非常ブレーキが効かず、出発信号機を越えて停車場外へ逸走した。その後自然停止したが、後退したため保安ブレーキで停止。乗客14名と運転士1名に負傷はなかった。原因は、走行中に床下の供給空気タンク締切コックが「閉」位置に回転し、ブレーキシリンダへ圧縮空気が送られなくなったためと推定される。つる植物が車両限界内に侵入しコックに絡まった可能性がある。また、ブレーキ不作動時に保安ブレーキを即時使用しなかった背景には、同社の教育・知識不足が関与したと考えられる。

南阿蘇鉄道 高森線 立野駅構内で発生した重大インシデント[本線逸走](令和6年4月15日発生)

<関連情報>

概要
九州旅客鉄道株式会社の豊肥線肥後大津駅を出発し、立野駅から南阿蘇鉄道株式会社の高森線高森駅へ直通運転を行う1両編成の下り第1453D列車の南阿蘇鉄道株式会社の運転士は、令和6年4月15日(月)09時42分頃、立野駅に停車するため、常用ブレーキ及び非常ブレーキを操作した。しかし、同列車は減速できずに南阿蘇鉄道株式会社の高森線立野駅の出発信号機を越えて、09時43分頃、立野駅の停車場外に逸走した後、自然停止した。その後、同列車が後方に転動したため、同運転士は、保安ブレーキを操作し、同列車を停止させた。
列車には、運転士1名及び乗客14名が乗車していたが、負傷者はいなかった。

原因
本重大インシデントは、列車が瀬田駅から立野駅間を走行中、車両中央付近の左側床下にある供給空気タンクの締切コックが定位の「開」位置から約90°回転した「閉」位置に動いたため、供給空気タンクからブレーキシリンダへの圧縮空気の送気が絶たれ、運転士が常用ブレーキ及び非常ブレーキを扱ったものの、立野駅停車時に列車が減速せず、立野駅の停車場外へ逸走したことにより発生したものと考えられる。
列車が瀬田駅から立野駅間を走行中、車両中央付近の左側床下にある供給空気タンクの締切コックが定位の「開」位置から約90°回転した「閉」位置に動いたことについては、列車が瀬田駅から立野駅間を走行中、線路脇に繁茂しているつる植物が風雨による影響を受け車両限界内に侵入したことにより、車両側面に近い位置にある列車の供給空気タンクの締切コックに絡まったことによる可能性が考えられる。
列車が立野駅の停車場外へ逸走したことについては、同列車の常用ブレーキ及び非常ブレーキが機能しない状況であるにもかかわらず、運転士が保安ブレーキを扱わなかったことによると考えられる。また、運転士が保安ブレーキを扱わなかったことについては、南阿蘇鉄道株式会社の運転士に対する保安ブレーキの構造及び作用並びに取扱いに関する教育が十分でなかったことが関与しているものと考えられる。
運転士に対する教育が十分でなかったことについては、南阿蘇鉄道株式会社における運転取扱い及び列車防護に関する知識の不足等があったことが関与していた可能性が考えられる。

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