2023-06-30 運輸安全委員会
概要
報告書番号:RA2023-5-2
発生年月日:2022年10月31日
区分:鉄道
発生場所:長崎線 佐賀駅~伊賀屋駅間[佐賀県佐賀市]一本柳踏切道(第4種踏切道:遮断機及び警報機なし、鳥栖駅起点20k832m)
事業者区分:JR
事業者:九州旅客鉄道株式会社(法人番号 6290001012621)
事故等種類:踏切障害事故
踏切区分:第4種踏切道
人の死傷:死亡
都道府県:佐賀県
概要:
九州旅客鉄道株式会社の肥前鹿島駅発鳥栖駅行き上り第2858M列車の運転士は、令和4年10月31日(月)、佐賀駅~伊賀屋駅間を走行中に一本柳踏切道(第4種踏切道)に右側から進入してくる自動車を認め、非常ブレーキを使用し、気笛を吹鳴したが、同列車は同自動車と衝突した。
この事故により、同自動車の運転者が死亡した。
原因:
本事故は、踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない一本柳踏切道において、速度約85km/hで走行していた上り第2858M列車が同踏切道に到達する直前に自動車が踏切道に進入し、踏切内を走行し続けたため、同列車の運転士が非常ブレーキを操作したものの間に合わず、同列車と同自動車が衝突したことによって発生したものと推定される。
列車が接近している同踏切道に自動車が進入したことについては、同自動車の運転者が同列車の接近に気付いていなかったためと考えられるが、その理由として、同自動車の運転者が安全確認を行っていなかった可能性及び同自動車の運転者の安全確認が結果的に不正確だった可能性が考えられる。
安全確認が結果的に不正確で同列車の接近を認識できていなかった可能性が考えられることについては、仮に同自動車が同踏切道の右側入口付近で安全確認を行っていた場合には、踏切交角によって同自動車の背後から同列車が接近する状況になること、そのときの列車の方向が太陽の方位とほぼ重なっていたこと、安全確認が短時間であれば同自動車の構造によって視界が妨げられた可能性があること等が関与して、同自動車から同列車が見にくかった可能性があるためと考えられる。
しかし、同自動車の運転者が死亡しているため詳細を明らかにすることはできなかった。
死傷者数:死亡1名(自動車運転手)
公表年月日:2023年06月29日
報告書(PDF):公表/説明資料