ネットバッファ工法(護岸・岸壁の吸い出し・陥没リスク抑制)
第 22 回国土技術開発賞 入賞
応募者 名:国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所/前田工繊株式会社
技術開発者:〔国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所〕 佐々 真志/
〔前田工繊株式会社〕石坂 修
技術の概要
•護岸・岸壁の陥没は全国各地で発生しており、近年も数多くの被災事例が報告されている。
•これらの陥没は、ケーソン間で透過してくる波の繰り返し作用を主要因とした防砂板損傷等によって、埋立土砂の吸い出しが生じ、これに伴う空洞が地中で生成・発達することによって、突然発生する。
•本技術では、気候変動とともに年々増大傾向にある透過波を、繊維製網状の緩衝材をケーソン間の目地部に挿入することで約80%減衰させることができ、外力を低減することで構造物としての長寿命化が図れ、陥没リスクの抑制が可能となった。
技術の特徴
•護岸・岸壁の陥没リスクを大幅に抑制することを可能にした新技術
•従来工法では、高波浪等によるケーソンの移動により遮断材が機能を失うなどの課題があったが、本技術では当問題を解決し、設置安定性も発揮
•多様なケーソン目地間隔、水底堆積物、既存抑止工等に対応し、老朽化施設を含む全国の護岸・岸壁へ適応可能
•大掛かりな工事の不要、従前に比べて大幅なコスト・工期の縮減、及び耐久性、耐候性、安全性の担保
技術開発の効果
•陥没を引き起こす透過外力を80%以上低減することで、護岸・岸壁の吸い出し・陥没リスクを大幅に抑制
•従来対策と比較すると、大規模な工事が不要で、コスト・工期ともに大きく縮減
技術の社会的意義及び発展性:
•人命の安全性および施設の信頼性が大きく向上
•全国の老朽化施設を含むケーソン護岸・岸壁の長寿命化
•発展途上国・先進国を含む同様の問題を有する現場へ適用・展開