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実施設における腐食環境および耐硫酸防食被覆層の劣化状況の実態

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2020-09-24  日本下水道事業団 技術戦略部 技術開発企画課
○瀧本 由樹,中西 啓(現・京都府),細川 和也,橋本 敏一

コンクリート防食に関する 2 JSの取組み状況

 1987年:「コンクリート防食塗装指針(案)」を制定。
 1991年:「コンクリート防食指針(案)」を制定。
 2001年:「下水道構造物に対するコンクリート腐食抑制技術及び防食技術の評価に関する報告書」(技術評価)
 2002年:「下水道構造物に対するコンクリート腐食抑制技術及び防食技術指針・同マニュアル」制定
→性能評価型への移行
 2007年:JS防食マニュアル第1次改訂
→性能規定を定め品質強化
 2008年:「耐硫酸モルタル防食技術」(技術評価)
 2012年:JS防食マニュアル第2次改訂
→耐硫酸モルタル工法追加
 2015年:「シートライニング工法(光硬化型)による防食技術」 (技術評価)
 2017年:JS防食マニュアル第3次改訂
→プリプレグ工法追加、JIS対応

→JSでは、硫酸によるコンクリート腐食に係る各種の防食被覆工法について技術
開発を行うとともに、技術基準の整備を継続的に行ってきた。

調査目的

実際の腐食環境条件と施工後の防食被覆層の劣化状況の関係把握

「JS防食マニュアル」※における耐硫酸防食被覆工法の課題抽出

下水処理場における防食技術の改良・向上

※日本下水道事業団「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」(平成29年12月)

調査結果のまとめ

今回調査は、Ⅱ類相当以上の腐食環境にあり、かつ供用年数が防食被覆の耐用年数(10年)を超過する4箇所の下水処理施設の防食被覆を対象に実施し、以下の結果が得られた。
‣ 防食被覆層の接着強度について、経年的な接着強度の低下が生じる傾向がみられた。
‣ いずれの箇所においても、躯体まで硫黄の侵入が進行しておらず、標準耐用年数を超過しても、防食被覆の機能を有していることが明らかとなった。
‣ 防食被覆層への硫黄侵入深さは、気相部のH₂Sガス濃度が高く、防食被覆層の表面pHが低いほうが大きい傾向がみられた。

今後の予定

▶ 引き続き、他の下水処理施設において同様の現地調査を実施し、腐食環境と防食被覆の劣化状況の関係等について把握することで実態を明らかにする。
▶ 調査結果では、一様な傾向がみられなかった例(外見に異常がみられなかったが接着強度が基準値を下回るものなど)もあるため、調査先の選定に当たっては、防食被覆の供用年数や工法を絞り込んで統計的にまとめられるような調査データを蓄積する。  

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0902鋼構造及びコンクリート1002下水道
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