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ライフステージに即した バリアフリー効果の 見える化手法の確立

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国総研レポート2020(研究期間 : 平成 30 年度~)
国土技術政策総合研究所 住宅研究部 住宅生産研究室
室長(博士(工学)) 布田 健
主任研究官(博士(工学)) 根本 かおり
住宅ストック高度化研究室
主任研究官(博士(工学)) 小野 久美子

(キーワード) ライフステージ,バリアフリー,身体活動量,iBeacon、Mets(Metabolic equivalents)

1.はじめに
国総研では、平成30年度から3カ年の計画で、事項立て課題「ライフステージに即したバリアフリー効果の見える化手法の確立」を進めている。これは、住環境における活動のしやすさをMets(Metabolic equivalents)という身体活動量を指標として見える化し、住宅のバリアフリー性能を評価しようとするものである。研究1年目の昨年度は、評価方法の検討、評価項目の抽出、評価項目の数値化とバリアフリー性能評価ツールについての概念整理(評価ツールのあり方、負担と活動量の関係 等)を行った。研究2年目の本年度は、評価ツールの具備すべき機能の検討とその開発を行い、最終年度の研究評価ツールの最適化・実用化及び施策に向けた提案へとつなげていく。以下に、令和1年度の研究の概要を示す。

2.令和元年度の研究概要
(1)環境評価法のアルゴリズムに関する検討
BIM(Building Information Modeling)の建築設計技術等を援用し環境評価システムを構築することを目的に、そのアルゴリズム(間取りと生活行為の身体活動量を考慮した評価式)について検討を行った。

(2)バリアフリー環境評価プログラムの開発
生活容易性、移動容易性、介助容易性等の住環境における活動のしやすさについて身体活動量を用いて数値化し、それぞれの居住者(健常者、高齢者、車いす使用者、介助者等)毎に住環境のバリアフリー度を評価するものである。その構成を図に示す。
①調査者が現場で設計情報を入力・参照が出来るインターフェース部分、②居住者の属性毎の間取りと活動量の関係について評価する評価エンジン部分、
③建物の性能や仕様を蓄積でき出力可能なデータベース部分 により構成し、それぞれがネットワーク等を介し連携し、実建物におけるバリアフリーに関わる現況検査・リフォーム設計等に向けた環境評価プログラムとした。

3.おわりに
今後は、実際の建物の評価を想定し、タブレット型図面入力装置を用いて入力しその操作性も含め検証し、また、住宅のバリアフリー改修の費用対効果(改修コスト、介護コスト、活動量等の総合的な効果)の可視化等、社会実装に向けた提案を行っていく。

図 バリアフリー環境評価プログラムの構成

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