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避難所における被災者の健康と安全確保のための設備等改修技術の開発

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国総研レポート2020(研究期間 : 平成 29 年度~令和元年度)
国土技術政策総合研究所 建築研究部 設備基準研究室
室長(博士(工学)) 平光 厚雄
主任研究官(博士(工学)) 山口 秀樹

(キーワード) 避難所,健康,安全,建築設備

1.はじめに
巨大地震が発生し、避難所生活が長期間に及んだ場合、精神面も含めた健康被害防止と安全確保のために、避難所の住環境改善手法の整備が必要となっている。避難所の設置にあたっては、地域性など個々の事情に配慮する必要もあり、既存の避難所の指針等では、具体的な整備・改修方法について十分な情報が得られないことがある。
これに対応するための研究開発を平成29年度から実施している。本報では、研究概要、今年度の検討内容、避難所の健康確保および安全確保のためのマニュアル原案作成に向けた方向性、今後の展開について紹介する。

2.研究概要
本研究は、避難所の住環境として、トイレ・衛生環境、プライバシー、音・温熱・光環境性能などを確保する具体的な手法や改修技術を提示することを目的としている。
避難所として多く利用される学校施設における設備の普及状態や、各種設備のメリット、デメリットを鑑みて、建築設備の災害対応技術に関して収集した情報を活用し、「日常生活に近いレベル」、「過去の避難所事例に同程度のレベル」、「重大な健康被害が生じない最低限のレベル」の生活環境の3段階のレベルの目標水準の整理を行った。さらには、それぞれの水準を満たすための避難所の機能確保に必要な各種設備の容量、費用、運用に関する留意事項等について整理した。整理にあたっては、図-1に示すようなインフラ、外部からの支援等のタイムスケジュールを設定し、図-2のように学校の開放場所の範囲も考慮している。

3.今後の展開
成果を取り纏めて、「避難所の健康確保および安全確保のためのマニュアル原案」を作成する。マニュアル原案については、地方公共団体の担当者等へのヒアリングを実施し、より使われやすいように取り纏め、HP等で公表する予定である。
作成するマニュアル原案の内容が自治体等の災害対応マニュアルへ反映されることで、避難所生活での身体的・精神的健康被害の軽減に貢献することが可能となると考えられる。


図-1 インフラ、外部からの支援等のタイムスケジュール

図-2 避難所の機能確保水準に応じた学校の開放場所の検討

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0900建設一般92建築
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