2026-04-23 運輸安全委員会

<関連情報>
- https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=2036
- https://jtsb.mlit.go.jp/railway/rep-acci/RA2026-2-1.pdf
- https://jtsb.mlit.go.jp/railway/p-pdf/RA2026-2-1-p.pdf
概要
東海旅客鉄道株式会社の東海道線高塚駅構内において、上り本線と中線で線路内工事に従事していた軌道作業責任者は、令和6年12月10日(火)02時53分頃、下り本線左側の線路脇にある道具仮置き箇所から作業箇所に移動するため下り本線を横断する際に、日本貨物鉄道株式会社の東京貨物ターミナル駅発百済貨物ターミナル駅行き26両編成の下り第2065列車と接触した。
この事故により、同軌道作業責任者が死亡した。
原因
本事故は、上り本線及び中線で施工されていた線路内工事に従事していた軌道作業責任者が、中線に隣接する下り本線の外に設けられた道具仮置き箇所から中線方向に
移動する際、列車の接近に気付かないまま列車に背向して下り本線の線路を横断し、進来してきた下り列車と接触したことにより発生したものと推定される。
軌道作業責任者が列車の接近に気付かないまま下り本線の線路を横断したことについては、
(1) 下り本線に対して列車見張員が配置されていなかったため、工事等従事者に下り列車の正確な列車間合いが周知されず、列車接近を知らせる携帯型列車運転状況表示装置の子機も下り列車については使用されていなかったこと、
(2) 軌道作業責任者が、「在来線施設・電気関係従事員触車事故防止要領」が定める線路横断時の遵守事項を正しく理解していなかったため、線路横断の可否を事前に立入責任者に確認せず、基本動作である左右指差確認も行っていな
かったこと、
(3) 片手斜め上げを省略したことにより、立入責任者を兼ねていた軌道工事管理者による工事等従事者の待避状況の確認が不十分となるだけではなく、工事等従事者の、進来してくる列車への意識の欠如にもつながり、工事等従事者の安全確保に支障を来した可能性があることによると考えられる。
下り本線に列車見張員が配置されていなかったことについては、東海旅客鉄道株式会社の監督員等及び立入責任者であった請負会社の軌道工事管理者が、「在来線施設・電気関係従事員触車事故防止要領」及び「在来線保線関係工事等打合せ要領」を正しく理解しておらず、打合せにおいて列車見張体制の確保のために必要な事項の確認が行われなかったことが影響したと考えられる。
また、監督員等並びに軌道工事管理者及び軌道作業責任者を含む工事等従事者が「在来線施設・電気関係従事員触車事故防止要領」等の規程を正しく理解していなかったことについては、東海旅客鉄道株式会社による同要領等の規定の解釈が、触車事故防止のための安全対策として定められた同要領の目的に反し、工事等従事者の安全確保を不十分なものとするものであったためと考えられる。

