ODA(Project for Strengthening Capacity of Industrial Wastewater Management of Ulaanbaatar)
- 国名 モンゴル
- 事業 技術協力
- 課題 環境管理
- 協力期間 2022年7月〜2025年6月
プロジェクト紹介
モンゴルの首都ウランバートル市では、市街地の周辺には皮革、ウール、カシミア、食肉加工、乳製品やアルコール等を扱う工場・事業所が所在しており、そのうち皮革工場とウール、カシミア工場からの排水については、ハリガ工場排水一次処理場にて一次処理されたのちに中央下水処理場へ排水されています。しかし、現状では、ハリガ工場排水一次処理場の処理能力を上回る重金属を含む高濃度の汚水が同処理場へ流入しており、適切に処理されないまま中央下水処理場へ流出しています。さらに、個別の排水前処理施設を持たない食品加工工場やアルコール工場などからも高濃度の汚水が排出されているため、中央下水処理場の処理水は同国の排水基準を満たしていません。このような状況に対して、同国政府は関係省庁からなるワーキンググループの設立、各工場における排水の前処理施設の設置義務化や違反者に対する罰則に関する法整備等を通じて、中央下水処理場に流入する汚水の汚濁負荷量を適切に把握し、各工場の排水前処理施設の設置・運用に係る制度面の整備を掲げています。しかし、行政側の工場排水・処理技術及び対策に関する経験が浅いこともあり、これらの対応が十分ではなく、工場排水の適切な管理と規制順守のための行政能力を強化することが課題となっています。
この協力では、工場排水関連の政策、規制、制度、モニタリング体制の見直し及び改善が行われ、行政機関及び事業者の工場排水対策の必要性に関する理解が促進し、工場排水の適切な処理に関する意識が向上することにより、工場排水が適切に管理され、規制が順守される仕組みが作りを通じた行政職員の能力向上を図り、工場排水の汚濁負荷量の軽減、環境汚染と健康被害の軽減に寄与します。
事業評価
(出典:外務省ODAホームページ、JICA)