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2022年8月3~4日の新潟県北部の土砂災害における衛星画像からの斜面変動範囲の推定

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2022-08-15 防災科学技術研究所

本件に関する連絡先

水・土砂防災研究部門 秋田・若月

概要

近年は土石流や斜面崩壊といった斜面変動による土砂災害が広域かつ同時多発的に発生するケースが見られており、救助活動や早期復旧のために斜面変動の範囲を早期に把握することが求められます。防災科学技術研究所では、斜面変動範囲を抽出する手法の開発に取り組んでいます。

2022年8月3~4日の豪雨で災害のあった新潟県北部の村上市及び関川村周辺を対象に、災害前後の衛星画像から作成したNDVI(正規化植生指数)差分画像を用い、斜面変動範囲の抽出を試みました。その結果、村上市小岩内や花立付近に斜面変動範囲が集中し、他にも上流部の関川村周辺などでも斜面変動範囲が散在していると考えられました。

なお、抽出結果は防災クロスビュー(令和4年8月3日からの大雨)にも公開していますのでご覧下さい。

https://xview.bosai.go.jp/

NDVI差分画像を用いた斜面変動範囲の推定

抽出の流れは2022年7月の宮城県大崎市周辺での解析例1)をご覧下さい。以下の衛星画像を使用し、NDVI差分値に閾値を定めて二値化画像を作成し、斜面勾配などで絞り込み、斜面変動の可能性がある範囲を抽出しました。

1)2022年7月15~16日の宮城県大崎市周辺の土砂災害における衛星画像からの斜面変動範囲の推定

-使用した衛星画像-

Planet Dove(分解能3m、L3B)

災害前:2022年5月29日撮影、災害後:2022年8月8日撮影

※GIS解析作業には、ArcGIS Pro 3.0.0(ESRI JAPAN)を使用。

図1に災害前後の衛星画像から作成したNDVI差分画像を示します。解析領域は、24時間積算雨量の稀さが30年以上を示していた領域(水・土砂HP:2022年8月3日に山形県周辺で発生した大雨)を参考に設定しました。なお、使用している衛星画像は分解能3mであるため、面積9m2(3m×3m)以下の変化は捉えることができません。

斜面変動などにより裸地化した範囲はNDVI差分値が大きくなり、白色であらわれます。

2022年8月3~4日の新潟県北部の土砂災害における衛星画像からの斜面変動範囲の推定

次にNDVI差分値に閾値を定め、斜面変動の可能性のある範囲を抽出します。図2にNDVI差分値の閾値による二値化画像を示します。

閾値は2020年7月の熊本県西部での解析2)で求めた0.3以上を適用したところ、斜面変動の可能性のある範囲が多数抽出されました。なお、斜面勾配10度未満の範囲は、国土地理院10mDEMの標高値を使用し求めました。斜面勾配10度未満の範囲は、斜面変動の可能性が低いと判断します。

2)2020年7月3~4日熊本県西部の土砂災害における衛星画像からの斜面変動範囲抽出の試み

図2.png

図3に完成した斜面変動範囲図を示します。これは図3の二値化画像から斜面勾配10度未満、雲範囲、面積300m2未満の小規模裸地を除去したものです。なお、300m2は今回の小岩内付近の崩壊による斜面変動範囲の面積をもとに設定しました。

黒矢印の村上市小岩内や花立付近に斜面変動範囲が集中しており、これらは災害後の航空写真3)から確認した崩壊地の分布傾向とも概ね一致しています。他にも上流部の関川村周辺などでも斜面変動範囲が散在していると考えられます。

3)2022年8月3日からの大雨災害後の航空写真(株式会社パスコHP公開)

図3.png

まとめ

2022年8月3~4日に新潟県北部の村上市及び関川村周辺で発生した土砂災害に対して、NDVI差分画像を用いた斜面変動範囲の抽出手法を適用したところ、村上市小岩内や花立付近に斜面変動範囲が集中し、他にも上流部の関川村周辺などでも斜面変動範囲が散在していると考えられました。

なお、本解析は現地調査を行ったものではないため、抽出した斜面変動を今後現地で確認することにより、抽出手法の検証・改良を加えていきたいと考えます。

2022年8月3~4日の新潟県北部の土砂災害における衛星画像からの斜面変動範囲の推定(短縮URL↓)

https://mizu.bosai.go.jp/key/2022Niigata
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0904河川砂防及び海岸海洋
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