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暖かみを感じる木材の利用拡大へ

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中高層建築物の内装木質化のための火災予測に関する計算プログラムを開発しました。

2021-02-19 建築研究所

近年の木造防耐火技術の整備を背景に、中高層建築物を木造で設計する事例が増加する中、視覚的にも暖かみを感じる木材を目に見えるかたちで室内の壁や天井などの仕上げ材料として利用したい、という強い需要があります。
一般的に、壁や天井の内装に可燃性材料を用いることは、火災の成長を著しく早め、建物内の避難を困難なものにすると考えられてきました。しかし、近年に行われた実大火災実験では、内装の一部にしか木材を使用しない場合や大きな空間の内装に木材を使用する場合には、火災の成長が緩やかになることがわかってきました。
そこで、建築研究所は平成28年度から平成30年度にわたって、指定課題「木質等の内装を有する建築物の避難安全設計技術の開発」を行い、火災安全性を損なわずに木質内装材をより柔軟に活用するための火災安全設計手法について研究開発を行ってきました。
その研究成果のひとつとして、木質内装空間で火災が発生した時の火災安全性を合理的に評価するために、内装材の燃え拡がりによる火災成長と、非火災室を含む複数の空間の煙流動を一体的に解析できる火災性状の予測モデルを開発しました。
本モデルでは、火源条件の他に火災室の可燃性内装材を貼る範囲の形状,可燃性内装材の厚さや熱物性および単位面積あたりの発熱速度の時刻歴を指定することによって、火災室内の発熱速度や各空間の気体温度等の鉛直分布を時系列に予測することができます。
このたび、これらの研究成果を建築研究報告No.149「内装材の燃焼拡大を含めた多層ゾーン建物内煙流動予測モデル」としてとりまとめ、公表するとともに、その計算プログラムと合わせて、ウェブサイトに公開いたしました。
本予測モデルが、今後の火災安全設計の実務において内装木質化の検討に大いに活用されることを期待します。

ダウンロードURL: http://www.kenken.go.jp/japanese/contents/publications/report/149/index.html

(内容の問合せ先)
国立研究開発法人 建築研究所
所属 防火研究グループ
氏名 鍵屋 浩司(かぎや こうじ)

目次
第1章 はじめに
第2章 多層ゾーンモデル
第3章 可燃性内装材の燃焼拡大モデル
第4章 モデルの予測性能の検証
第5章 木質内装空間の仮想プランへの適用
第6章 おわりに
付録 計算プログラムの入出力マニュアル

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