「浸水を防ぐ」、「早期・安価に復旧」、「耐水性の向上」の3つの観点からの耐水化案の検討などについて
2020-11-05 建築研究所
背景・目的
我が国では昨今、気候変動の影響もあり、都市部での洪水被害が相次いでいることから、氾濫を前提とした都市づくりや建築における対策が求められています。そこで、水害リスクを踏まえた建築・敷地レベルでの浸水対策や土地利用の誘導方策のあり方を研究しています。
研究概要
洪水をテーマに重点的に研究を行うのは、初めてでもあり、まずは浸水被害の最も多い、戸建て住宅の耐水化について3つの「耐水化案」の試設計を行い、実現に要する追加的費用と浸水時の資産被害の軽減額の試算、浸水対策の費用対効果の分析などから、各案の適用性及び、技術開発上の課題、社会への普及上の課題等について検討しました。その結果、50万円程度の追加工事により90万円程度の被害額低減効果が期待できる場合があること、などが分かりました。
今後の展開
集合住宅等、他の建物形式での耐水化案の検討を行い、都市レベルでの浸水対策への展開や普及のための仕組みを検討していく予定です。また、都市の浸水リスクの分析等の課題についても、浸水範囲の履歴を踏まえた解析を行っていく予定です。
(問い合わせ)
住宅・都市研究グループ
主席研究監 木内 望