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建築物のエネルギー消費性能の向上を目指したファサード設計法に関する研究

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国総研レポート2020(研究期間 : 平成 29 年度~令和元年度)
国土技術政策総合研究所 住宅研究部 建築環境研究室
室長(博士(工学)) 三木 保弘
主任研究官(博士(工学)) 羽原 宏美
主任研究官(博士(工学)) 宮田 征門
住宅研究部 住宅情報システム研究官(博士(工学)) 桑沢 保夫

(キーワード) 省エネルギー,ファサード,温熱環境,光環境

1.建築物の省エネ化に向けたファサード設計
建築物の更なる省エネ化の実現には、建築設計プロセスの上流側であるファサード(外壁、窓、屋根などの建築外皮)の設計により、空調負荷など設備そのものにかかる負荷を削減することが重要である。そこで、本研究では、様々なファサードが空調・照明設備のエネルギー消費量の削減に対し及ぼす影響を検討し、ファサードによるエネルギー消費性能向上に向けた設計法を整備することを目的としている。

2.省エネファサード設計のための技術資料の検討
本研究は、表に示すフローに沿い進めている。最終年度である本年度は、省エネファサードの設計に資するガイドライン案を作成するため、その基となる技術資料をとりまとめた。技術資料は、空調負荷はEnergyPlus、照明負荷はRadianceという、省エネと室内環境の評価について実績のあるソフトウェアにより、代表的なファサードの違いによる年間シミュレーションを行った結果を用い、一般的なオフィスを想定した建築物の設計において参考となる省エネ性能、設計実務上の留意点、温熱・光環境の確保における考え方をまとめている。図-1、図-2は、大規模な建築物のオフィス執務室を想定した場合の技術資料の一部である。奥行きの長い大きな室の場合、設計として最も重視される年間の空調負荷は冷房負荷が支配的であり、ファサードの違いの影響は非常に小さいが、照明削減効果は、方位などに応じたファサードの違いの昼光利用効果は大きくなる。一方、中規模の建物の場合は室奥が短いため、ファサードの空調負荷に対する照明削減効果の影響が相対的に大きくなり、ファサード設計がより効果的になる。これも、同様に図として資料に掲載している。

表 研究期間全体の研究フロー

図-1 ファサードの違いによる年間の空調負荷

図-2 ファサードの違いによる年間の照明削減効果

3.今後の展開
今後、よりグラフィカルな図等を用いて設計者にわかりやすくなるように技術資料を整理し、省エネ設計ガイドラインとして発行する予定である。

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