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港湾分野における 生産性向上の取り組み

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国総研レポート2020(研究期間 : 平成 28 年度~)
国土技術政策総合研究所 港湾研究部
港湾施工システム・保全研究室
室長 井山 繁 主任研究官 坂田 憲治
交流研究員 鈴木 達典
交流研究員 吉野 拓之
係員 村田 恵

(キーワード) 生産性向上,ICT浚渫工,CIM

1.はじめに
港湾分野では、生産性向上に向け、ICT浚渫工の基準類の改定や提出書類の効率化等を検討している。
また、昨年度より桟橋等を対象としたCIMの試行業務が開始され、CIM導入ガイドライン(港湾編)の改定等、今後のCIM活用に向けた検討を実施している。

2.ICT浚渫工等の生産性向上に関する検討
ICT浚渫工における作業の効率化に向け、マルチビーム測深におけるスワス角(音波を照射する範囲)・重複率(音波を重複して照射する割合)の緩和について、現場検証をもとに検討した。スワス角・重複率を一定緩和すること(図-1)により、測量船の航行距離を減少させることができ、作業能力(時間・費用)の効率化が期待される。現場検証の結果、土量計算結果への影響が微小であることから、深浅測量マニュアル等の基準類の改善を提案した。

図-1 マルチビーム測深におけるスワス角等の緩和

また、ICT浚渫工と水路測量では、類似する提出書類が多数あり、書類作成において非効率な状況が生じていると共に、マルチビーム測深により全域測深可能となったにも関わらず、依然として水路測量業務準則等にはシングルビーム測深の併用の旨が記載されている。そこで、関係者へのアンケートやヒアリングを通じ、測量作業や提出資料作成の効率化に向け、提出書類一覧表(案)の作成、シングルビーム測深の併用解消を提案した。
さらに、マルチビームで取得した点群データのノイズ処理時間の短縮化に向け、自動ノイズ処理技(CUBE)で処理するデータの妥当性を、水路測量での提出済データと比較することで検証しているところである。

3.港湾分野におけるCIM活用に向けた検討
CIM活用の促進に向け、関係者へのアンケート等を踏まえ、維持管理段階で必要とされるCIMの詳細度や属性情報の項目を検討し、CIM導入ガイドライン(港湾編)等の改善を提案した。また併せて、点検診断結果(劣化度a,b,c,d)のCIMモデルへの反映を見据え、効率的なCIMモデル作成を試行的に取り組み、活用事例を提示した(図-2)。

図-2 作成したCIMモデル(桟橋)

4.おわりに
今後、港湾分野における生産性をさらに向上させるため、引き続きICT浚渫工やCIM活用等に向けた検討を進める予定である。

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0905港湾及び空港
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