2019-07-18 新エネルギー・産業技術総合開発機構
NEDOは、地中熱利用システムの低コスト化や太陽熱などの利用システム高度化に向けた再生可能エネルギー熱の利用に関するコスト低減技術の開発に着手します。
本事業の地中熱利用システムの低コスト化技術開発では、地中熱交換器、ヒートポンプ、掘削機などの設計、試作機の製作と地中熱利用システムの制御システムのシミュレーション、評価・定量化シミュレーションを行います。また、太陽熱などの利用システム高度化技術開発では、要素技術の開発、機器設計、試作機の製作と一部再生可能エネルギー熱利用システムの制御システムのシミュレーション、評価・定量化シミュレーションを行います。これらの技術開発に取り組み、2030年までに地中熱、太陽熱などの再生可能エネルギー熱利用システムのトータルコストを30%以上低減(投資回収年数8年以下)することを目指します。
図 事業体制イメージ
1.概要
地中熱をはじめとする再生可能エネルギー熱※1は、分散型エネルギーの一つとして重要な役割を果たす可能性があるとされています。しかしながら、設備導入コストが高い、認知度が低い、熱エネルギーの供給を担う人材が十分に育っていないなどの課題があり、再生可能エネルギー熱の利用は十分に広がっていません。
そこで国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、2014年度から2018年度まで「再生可能エネルギー熱利用技術開発※2」事業で、コスト低減を目的とした地中熱利用技術および各種再生可能エネルギー熱の利用について、蓄熱利用などを含むシステムの高効率化、評価技術の高精度化などに取り組み、その結果、トータルコスト20%削減の目標を達成することができました。
NEDOは今年度から5年間の計画で、地中熱利用システムの低コスト化や太陽熱などの利用システム高度化に向けた「再生可能エネルギー熱利用にかかるコスト低減技術開発※3」に着手します。
本事業の地中熱利用システムの低コスト化技術開発では、地中熱交換器、ヒートポンプ、掘削機などの設計、試作機の製作と地中熱利用システムの制御システムのシミュレーション、評価・定量化シミュレーションを行います。また、太陽熱などの利用システム高度化技術開発では、要素技術の開発、機器設計、試作機の製作と、一部再生可能エネルギー熱利用システムの制御システムのシミュレーション、評価・定量化シミュレーションを行います。
これらの技術開発に取り組み自立的な再生可能エネルギー熱利用の普及に向けて、2030年までに地中熱、太陽熱などの再生可能エネルギー熱利用システムのトータルコストを30%以上低減(投資回収年数8年以下)することを目指し、テーマごとにシステムの導入に関わる上流から下流までの事業者などを集めたコンソーシアム体制を組み、実用化技術の確立およびコスト低減技術開発を進めるとともに、その成果の普及方策の策定まで一貫した事業として実施します。
またNEDOでは、関係省庁、業界団体との情報交換を定期的に実施し、研究開発課題やコスト目標を盛り込んだロードマップを作成します。
2.採択テーマと助成予定先
地中熱利用システムの低コスト化技術開発
テーマ名
助成予定先
1
給湯負荷のある施設への導入を想定した地中熱利用ヒートポンプシステムの研究開発
株式会社ワイビーエム
昭和鉄工株式会社
2
直接膨張式地中熱ヒートポンプシステムとその施工・設置にかかるコスト低減技術の開発
株式会社藤島建設
株式会社萩原ボーリング
中外テクノス株式会社
伊田テクノス株式会社
太陽熱等利用システムの高度化技術開発
テーマ名
助成予定先
1
天空熱源ヒートポンプ(SSHP)システムのライフサイクルに亘るコスト低減・性能向上技術の開発
鹿島建設株式会社
ゼネラルヒートポンプ工業株式会社
【注釈】
- ※1 再生可能エネルギー熱
- 化石エネルギーとは違い、地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのことです。地域偏在性がなく安定した再生可能エネルギー熱源として、地中熱、太陽熱、雪氷熱、温泉熱、海水熱、バイオマス熱、河川熱、下水熱などが該当します。
- ※2 再生可能エネルギー熱利用技術開発
- 事業期間:2014~2018年度
事業予算:約45億円
再生可能エネルギー熱利用技術開発 - ※3 再生可能エネルギー熱利用にかかるコスト低減技術開発
- 事業期間:2019~2023年度
事業予算:3億円(NEDO負担率:1/2)(2019年度)
再生可能エネルギー熱利用にかかるコスト低減技術開発
3.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 新エネルギー部 担当:藤田、谷口
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:坂本、中里、佐藤