~断熱改修等による居住者の健康への影響調査 中間報告(第3回)~
2019-1-24 国土交通省
〇 本調査は、断熱改修などによる生活空間の温熱環境の改善が、居住者の健康にどのような影響を与えるかについて、改修前後の健康調査結果等を用いて、医学・建築環境工学の観点から検証する調査です。
〇 これまで2回の中間報告を行いましたが、その後の調査の進捗により住宅の室内環境が血圧など健康関連事象に与える影響について新たな知見が得られつつあることから、実施事業者より第3回の中間報告を行います。
1.調査全体の概要
○事業期間 :平成26~30年度
○検証内容 :断熱改修を予定する住宅を対象として、改修前後における、居住者の血圧や身体活動量など健康への影響を検証する。
○実施事業者:(一社)日本サステナブル建築協会(平成26~30年度の実施事業者)
※医学・建築環境工学の学識者からなるスマートウェルネス住宅等推進調査委員会(別紙1)を設置し、調査検証を実施。
○調査数 :断熱改修を予定する住宅に居住する方4,131人(2,307軒)について改修前の健康調査を行うとともに、当該住宅について既に断熱改修を実施した方1,194人(679軒)について改修後の健康調査を行った。
※国土交通省では、平成26年度から「スマートウェルネス住宅等推進事業」により、本調査を支援しています。
2.第3回中間報告の概要
得られたデータに基づき検証を行ったところ、住宅の室内環境が血圧など健康関連事象に与える影響について、以下の得られつつある知見が確認された。
1. 室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい。
2. 居住者の血圧は、部屋間の温度差が大きく、床近傍の室温が低い住宅で有意に高い。
3. 断熱改修後に、居住者の起床時の最高血圧が有意に低下。
4. 室温が低い家では、コレステロール値が基準範囲を超える人、心電図の異常所見がある人が有意に多い。
5. 就寝前の室温が低い住宅ほど、過活動膀胱症状を有する人が有意に多い。 断熱改修後に就寝前居間室温が上昇した住宅では、過活動膀胱症状が有意に緩和。
6. 床近傍の室温が低い住宅では、様々な疾病・症状を有する人が有意に多い。
7. 断熱改修に伴う室温上昇によって暖房習慣が変化した住宅では、住宅内身体活動時間が有意に増加。
※詳しくは、別紙2の資料をご参照下さい。
3.第3回中間報告会の開催案内
○第3回中間報告の詳細について、報告会を開催します。
主 催:(一社)日本サステナブル建築協会
日 時:平成31年2月1日(金)13:30~17:00
会 場:ホテルグランドアーク半蔵門 4階 富士 東(東京都千代田区隼町1-1)
定 員:300名
参加費:無料(登録制)
※詳しくは、(一社)日本サステナブル建築協会HP(http://www.jsbc.or.jp/)を確認下さい。
お問い合わせ先
- 国土交通省住宅局安心居住推進課課長補佐 山崎
- 国土交通省住宅局住宅生産課課長補佐 原口