2026-02-26 国土技術政策総合研究所
国総研資料 第 1335 号

図-1 楕円体高と標高の関係の模式図
<関連情報>
- https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn1335.htm
- https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn1335pdf/ks1335.pdf
【概 要】
GNSS測位による水深(鉛直位置)の計測により,深浅測量及び浚渫工・床掘工等の施工管理・出来形管理の効率化と, 地震・津波等の災害発生時における深浅測量・海上工事の迅速な実施が期待できる. しかし,最低水面の楕円体高が不明なため,GNSS測位による水深(鉛直位置)の計測が海上工事では実用化されていない.
近年,国土地理院により沿岸部を含む全国の航空重力測量が実施されて,新しいジオイド・モデル「ジオイド2024日本とその周辺」が構築された. このジオイド・モデルは,これまでに使われて来たジオイド・モデルよりも沿岸部の精度が向上しており, これを活用して海上保安庁により最低水面の楕円体高の算出が進められて来たことから, 本研究は,GNSS測位による水深(鉛直位置)の計測を海上工事へ導入することを目的として, 深浅測量及び浚渫工・床掘工等の施工管理・出来形管理の現場で実証試験を行った. 深浅測量に関しては,合計8ヶ所の現場でマルチビーム測深を実施した. また,施工管理・出来形管理に関しては,床掘工・浚渫工・地盤改良工・基礎捨石工の4つの工種を対象に, 合計10ヶ所の現場で,作業船の高さ(鉛直位置)の計測を実施した.現地試験の結果から, 潮位観測を利用する従来の潮位補正とGNSS測位を利用する潮位補正の間で,水深の計測結果及び作業船の高さ(鉛直位置)の計測結果について, 差の平均値が概ね0.1m以内に収まることを確認した. 深さの測定の不確かさの限度や出来形管理基準の測定単位・許容範囲を考慮すると,GNSS測位による潮位補正が,深浅測量及び施工管理・出来形管理として一定の精度を有しているものと評価できた.
【担当研究室】
港湾業務情報化研究室
【執 筆 者】
辰巳大介、宮田正史、須山翔太、早川武尊、末廣文一、川原洋、瀬水幸治

