2023-05-24 国土地理院
国土地理院は、GPSや準天頂衛星システム等を使って、いつでも・どこでも・誰でも簡単に正確な標高が分かる社会の実現を目指しています。
その基盤となる標高基準(0m)を構築するために行ってきた航空重力測量が終了しました。
これにより、衛星測位で迅速に高精度な標高が分かる社会が到来します。
標高基準の起伏を表した試作図
(数値はジオイド高(資料-1参照))
近代測量開始から150年の間、東京湾平均海面を基準(0m)とした水準測量によって全国の標高は決められてきました。しかし、水準測量は迅速性に欠けることから、衛星測位で迅速かつ容易に標高を求めることができる社会を目指し、令和元年度から4年間にわたって、総飛行距離13.9万kmに及ぶ航空機による重力値の測定(航空重力測量)を実施しました。これまでの測定結果を用いて試作した標高基準は右図のとおりで、目標精度の3cmを達成しています。今回取得したデータを基に全国の標高基準を構築し、令和5年度中に試験公開いたします。
また、この基準を用いた標高の新しい測量方法「GNSS標高測量」のマニュアルを令和6年度中に公開する予定です。さらに、これまで水平方向のみに導入されていた地殻変動補正を標高にも導入し、日本列島の激しい地殻変動による不整合も解消します。これらの施策によって、衛星を使って迅速に高精度な標高※が分かる社会を実現していきます。
※国の位置の基準である国家座標に準拠した標高
重力・ジオイドウェブサイト:https://www.gsi.go.jp/buturisokuchi/grageo_index.html
添付資料
問い合わせ先
国土地理院
【航空重力測量に関すること】
測地部 物理測地課長
酒井 和紀
測地部 物理測地課長補佐
菅原 安宏
【GNSS標高測量、地殻変動補正に関すること】
測地部 測地基準課長
井上 武久
測地部 測地基準課長補佐
髙木 悠