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Wi-Fi パケットセンサーを用いた歩行流動観測手法に関する研究

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国総研レポート2020(研究期間 : 平成 30 年度~)
国土技術政策総合研究所 都市研究部 都市施設研究室
室長 中西 賢也
主任研究官 吉田 純土

(キーワード) 歩行者交通量,歩行者流動,歩行実態観測,Wi-F,中心市街地

1.はじめに
中心市街地等において居心地が良く歩きたくなる空間を創出するために、街路や沿道施設の空間構成の再考や沿道関係者と一体となった都市施設の利活用の検討等が行われている。こうした取組を実施する際、通行量や流動状況等のデータに基づいて、計画を立案し、実施結果を評価することが重要となる。歩行実態を観測する手法としては携帯電話基地局データやカメラ画像データ、GPSデータ等を活用した新たな手法が近年注目されているが、本研究においては比較的容易かつ安価にデータを取得することが可能なWi-Fiパケットセンサーに着目し、その有用性を検証する。

2.Wi-Fiパケットセンサーの概要
Wi-Fi機能を搭載した携帯電話等の端末は、ルーター等との接続を行うための電波(プローブリクエスト)を発信している。このプローブリクエストには端末のID等の情報が含まれ、センサーはこの情報を取得することにより端末を携帯する歩行者の流動状況等を把握するものである。

3.Wi-Fiパケットセンサーの適用
本研究においては、観光客で賑わう川越市中心市街地においてセンサーを適用し、その歩行実態を把握した。センサーから得られるID情報を用いることにより各地を移動する歩行者の流動状況を把握することができる。その一例を図-1に示す。同様に、2つのセンサー間で区切られる区間における滞留人口も把握することも可能である。ここで、滞留人口については、人手によるカウンター調査も実施することで実測値を取得し、双方のデータを比較した。その結果、観測箇所によって差異が見られるが、概ね双方に一定の相関が見られた。一方で、拡大率(実測値との比率)に関しては箇所、時間帯によって大きく差があることが分かった。(図-2)この原因としてセンサーの設置環境が影響したものと推察される。

図-1 流動状況

図-2 実測値との比較

4.今後の研究
Wi-Fiパケットセンサーの大きな特徴として、地下空間・建物内において流動状況を把握できることが挙げられる。都心部等においては歩行者が通行する地下通路等の施設が多く存在するため、適用場面が多いことが想定される。今後は地下通路等において観測を行い、地下空間特有の特性を把握することに注力したい。

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