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建築物の外壁落下の危険性を町並み画像上に可視化するツールを開発

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国土技術政策総合研究所

国総研では、大地震時や日常における建築物の外壁等の落下からの歩行者等の安全確保に 向けて、外壁診断調査の情報等を活用し、外壁の落下の被害が想定される範囲を三次元の町 並み画像上に可視化し、所有者・管理者が維持管理の重要性を認識できるようにしました。

1.外壁落下危険性可視化ツールの開発の背景

   国総研では、平成 25 年度から 28 年度に亘り、総合技術開発プロジェクト「社会資本等の維持管 理効率化・高度化のための情報蓄積・利活用技術の活用」を実施いたしました。 当プロジェクトにおいて、建築物の分野では、近年問題となっている建築物の外壁等の落下事故 の防止に向けて、建築基準法第 12 条の定期調査報告に際し建築物の所有・管理者側で実施されて いる外壁診断調査のデータを有効活用し、維持管理の重要性への認識を高めると共に、歩行者等の 安全確保などへの活用も視野に入れ、可視化ツールの開発を行いました。

2.外壁落下危険性可視化ツールの概要

(1) 国土交通省版・景観シミュレーション・システム1)に当該ツールをプラグイン。

(2) 移動体計測車が計測した建築物の外壁の点群データや、建築物の2次元 CAD データ、BIM デ ータから、壁面により構成される3次元の町並を作成。

(3) 外壁診断調査による外壁の剥離危険箇所の分布をテクスチャデータ2)として表現。

(4) 剥離危険箇所のテクスチャデータを3次元の建物外壁上に貼り付け。

(5) 外壁落下の危険の及ぶ空間範囲を3次元の町並み画像上に表示。

(6) 現地では、AR 技術3)を用いて、タブレット端末の背面カメラで撮影した現実の町並の映像 の上に、外壁落下の危険の及ぶ範囲を映し出して、歩きながら確認。

  1) 国土交通省版・景観シミュレーション・システムとは、建築物や土木構造物の設計や意匠デザ インの選定に際して、周辺環境との調和を図るために、PC 画面上で景観を模擬表示できる国交 省が開発したフリーソフトであり、景観シミュレータ本体と、プラグインとして選択的に利用で きる動的リンクライブラリー(DLL)で構成されています。外壁落下危険性可視化ツールは、こ のようなプラグイン DLL の1つとして新たに開発しました。

  2) このテクスチャデータは、外壁の表面を、剥離危険性の有無により、1 と 0 にデジタル区分し たデータです。 3) AR(拡張現実)とは、現実世界で人が感知する情報に、別の情報を加えて表現する技術です。

3.ホームページはこちらです。

ツールの解説:http://sim.nilim.go.jp/BERV

ツールのダウンロード:http://sim.nilim.go.jp/MCS/download.asp

 

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