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耐震改修技術

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UR都市機構

先の阪神・淡路大震災において、最大で震度7の大規模地震を経験しましたが、旧耐震基準に基づいて設計されたUR賃貸住宅に関して、住宅階では大きな被害を受けた事例はなく、また、ピロティ階では柱が破壊された例はありますが、人命に係る被害はありませんでした。

しかしながら、平成7年10月の建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)の制定を受け、UR都市機構としては、UR賃貸住宅の耐震性の一層の向上を図る観点から、順次、耐震改修を実施していくこととし、柱の被害事例があったピロティ階から、耐震改修を優先的に実施する必要があると考え、耐震改修を実施してきたところです。

さらに、平成17年9月に政府の中央防災会議で建築物の耐震化緊急対策方針が決定されるとともに、平成18年1月の改正耐震改修促進法の施行等を受けて、平成18年度から住宅階の改修にも着手し、賃貸ストックの安全性の向上を図ることとしています。

耐震改修技術には大きく分けて、建築物の強度や靱性(変形性能)の向上を目的とした耐震補強、地震エネルギーの吸収を目的とした制震補強、および地震力の低減を目的とした免震補強があります。

  • (1)耐震補強…壁増設、ブレース設置、柱巻き立て、耐震スリット設置など
  • (2)制震補強…制震ダンパー設置など
  • (3)免震補強…基礎免震、中間階免震など

ここでは、UR都市機構の耐震改修事例として、高島平団地(東京都板橋区)および奈良北団地(神奈川県横浜市青葉区)の取組みの一部を簡単に紹介します。

高島平団地2-26-4号棟の耐震改修工事は、UR都市機構として初めて経験する住宅階の耐震改修工事であり、補強効果、居住性、経済性、外観等を総合的に検討した結果、北側の共用廊下に沿った外付け鉄骨ブレースによる耐震補強架構の新設、およびエレベーターホール南側の外壁を撤去した柱梁フレーム内への鉄骨ブレースの設置による耐震補強を主体とした耐震改修を平成20年12月末に完了しています。

高島平団地(参考図)

奈良北団地では、強度や靱性の向上および剛性のバランスの改善等を目的として、増幅機構付オイルダンパー制震装置の設置、耐震スリットの新設、および柱補強等を組み合わせた制震補強を主体とした耐震改修を実施しています。なお、奈良北団地では敷地内に傾斜地や調整池がある等の周辺状況も考慮して、制震装置を既存躯体の柱梁フレーム内に設置する制震補強を採用しました。これらの耐震改修を平成22年6月末に完了しています。

奈良北団地(参考図)

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