20206-06-30 土木研究所
本共同研究では、既設道路橋の基礎杭について、大規模地震後の供用可否を合理的に判断し、効率的な補修・耐震補強を実現する技術を検討した。まず、地震で損傷した場所打ち杭を対象に鉛直載荷試験を実施し、損傷後も一定の鉛直支持能力を維持していることを確認するとともに、供用性評価に必要な基礎データを取得した。さらに、場所打ち杭、既製PC杭、既製RC杭を対象として、これまでの被害事例を踏まえた耐荷性能の合理的な評価方法を提案した。また、既設基礎杭の耐震補強工法として、施工性の向上を目的に増し杭を活用する補強方法を取り上げ、解析と実験の両面から補強メカニズムや耐震効果を検証した。その結果、増し杭が既設杭と荷重を分担することで耐震性能を向上させることを示し、施工性と補強効果を両立できる設計上の考え方を整理した。本成果は、既設橋梁基礎の維持管理・耐震対策の合理化、ライフサイクルコストの低減、および道路インフラの安全性・信頼性向上に資する技術的知見を提供するものである。

<関連情報>
- https://thesis.pwri.go.jp/public_detail/1003048/
- https://thesis.pwri.go.jp/files/13859791446a39d6aacb4fb.pdf
既設基礎杭の耐荷性能評価及び補強方法に関する共同研究報告書
桐山 孝晴,大住 道生,二宮 智大
共同研究報告書 第640号 発表:2026/06/30
抄録
既設の道路橋の基礎の補修・補強には多大なコストを伴うため、基礎の補修・補強の必要性の判断や補修・補強を合理的に行うための技術が求められている。そこで本共同研究では、大規模地震により損傷した杭を有する橋梁の供用が可能かどうかを判断する指標を得るため、損傷後の場所打ち杭の鉛直載荷試験を行い、鉛直支持能力を確認した。また、これまでの既設基礎杭の被害を鑑みて、既設のコンクリート杭(場所打ち杭、既製PC 杭、既製RC 杭)の耐荷性能を合理的に評価する方法を提案した。さらに、既設基礎杭の合理的な耐震補強として、施工性向上の観点から工夫した増し杭補強方法の考え方について解析的・実験的に補強メカニズムや補強効果を検討し、とりまとめた。
