2025-07-31 運輸安全委員会

<関連情報>
- https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=2011
- https://jtsb.mlit.go.jp/railway/rep-acci/RA2025-4-1.pdf
- https://jtsb.mlit.go.jp/railway/p-pdf/RA2025-4-1-p.pdf
概要
西日本旅客鉄道株式会社の芸備線新見駅発備後落合駅行き1両編成(ワンマン運転)の下り第445D列車の運転士は、令和5年3月23日(木)19時22分ごろ、備後八幡駅~内名駅間を速度約25km/hで走行中、前方の軌間内に支障物を認め、直ちに非常ブレーキを操作したが、列車はこれに衝突して停止した。停止後に運転士が列車を確認したところ、前台車の全2軸が右側に脱線しており、列車中央付近の床下に岩塊を認めた。
列車には乗客はおらず、乗務員1名(運転士)が乗車していたが、負傷はなかった。
原因
本事故は、軌間内にあった落石に列車が衝突したため、前台車の第1軸及び第2軸の右車輪が右レールに乗り上げたことにより脱線したものと推定される。
落石が発生したことについては、斜面中に存在していた2個の転石がやや不安定な状態にあり、経年により転石の周りの土砂が侵食されるなどにより不安定化が進行して落下した可能性が考えられるが、転石が落下に至った過程の詳細については明らかにすることができなかった。
落石が軌間内に到達したことについては、落石が既設のポケット式落石防止網と立木利用金網柵の間を通過し、斜面途中で停止することなく線路まで落下したことによると考えられる。


