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埼玉の河川名の由来と歴史について

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令和5年度 「埼玉の河川名の由来と歴史について」

埼玉の河川名の由来と歴史について 令和6年3月 彩の川研究会 調査報告書

はじめに

この報告書は、令和 5 年度に彩の川研究会が実施した調査の結果を、「埼玉の河川名の由来と歴史について」として取りまとめたものです。

埼玉県内には 162 の一級河川が流れています。
代表する河川に利根川がありますが、利根川は古くから「坂東太郎」という愛称で親しまれています。「坂東」は足柄山・箱根山の東、関東地方の古名で「太郎」は長男ということです。東国の河川の長男、惣領という意味で呼ばれていたものと思われます。

河川の名前にはどのような由来や意味が込められているのか。昔から言い伝えられてきたものですので諸説あることとは思いますが調べていけば、新たな面白い発見があるに違いないと考えました。そこで、河川名に込められている治水や利水の歴史的出来事や過去の災害、あるいは文化や産業との関わりなどを調査し、河川名の由来を通じて県民に河川への愛着や理解を深めようとしたところです。

調査結果は、なじみやすい、わかりやすいよう報告書として冊子にまとめました。冊子は国や県の関係機関に提供するとともに、県内図書館等に寄贈します。また、ホームページからは、過去の調査報告書も含めカラー版で見ることができますので是非一度ご覧ください。「彩の川研究会」 (sainokawa.jp)

彩の川研究会は、埼玉県にゆかりがある「公益社団法人 日本河川協会」第2種正会員を中心に構成されております。会員は川にかかわる豊富な知識と経験を持っています。調査委員会(代表 山口勝義)を立ち上げ、総勢 56 名の調査会員が県土整備事務所管内をベースに5班を編成し、調査にあたりました。調査活動に際しては、文献・資料調査、聞き取り及び現地調査を実施して、個別の調査票にまとめました。また、どの会員がどの河川を調査したか、調査員名を明確にしました。

この報告書をお手にとることにより、その川はどういった歴史があるのか、その地域にどのような役割を果たしてきたのか、なぜそう名付けられたのか、河川名の由来と歴史についての理解を通じ、県民、流域にお住みの皆様が「地域と川への理解」と「河川事業への理解」を少しでも深めていただければ幸いです。

彩の川研究会 会長 内藤 敏夫

令和 5 年度「埼玉の河川名の由来と歴史について」調査報告書 目 次

第1章 調査概要
 1-1.調査の目的・・・・1
 1-2.調査の内容・・・・1
 1-3.調査実施体制・・・1
 1-4.調査の方法・・・・2

第2章 「埼玉の河川名の由来と歴史」のあらまし
 2-1.調査・整理件数・・4
 2-2.「河川名の由来と歴史」に関して・6

第3章 地域別の「埼玉の河川名と歴史」 
 3-1. さいたま・越谷・・ 11
 3-2. 朝霞・川越・・・・ 16
 3-3.飯能・東松山・秩父・26
 3-4.本庄・熊谷・北本 ・ 36
 3-5.行田・杉戸 ・・・・ 41

資料編 (調査票)・・・・ 54
 さいたま・越谷・・・・ 55
 朝霞・川越・・・・・・ 77
 飯能・東松山・秩父 ・ 106
 本庄・熊谷・北本 ・・ 132
 行田・杉戸 ・・・・・ 152

第 1 章 調査概要

1-1.調査の目的

埼玉県内には私たちの身近に流れている一級河川が 162 河川(国管理 25 河川、県管理 151 河川)あります。普段聞きなれて親しんでいる河川名、そこにはどんな由来や意味が込められているのでしょうか。知らなかった発見もあるのでは
ないでないでしょうか。
河川名に込められている治水や利水などの歴史的経緯、文化や産業との関わりなどを調査報告書にまとめることで、県民の河川への興味や理解を深めてもらうことを目的に調査を実施したものです。

1-2.調査の内容

調査の内容は次のとおりです。

⓵現地調査を行い、実態を確認します。

  • 調査河川の選定
  • 河川名の由来
  • 河川名に込められた歴史的な出来事や災害等
  • 河川管理者及び変遷
  • 流域の文化財や歴史的土木構造物等(土地改良の碑等々)
  • 河川の成立に関与したと思われる施設や人物等
  • 産業(名物)や文化(祭り)との関わり

②関係市町村の文献等を確かめます。

③調査成果を調査票にまとめます。

④「埼玉の河川名の由来と歴史について」報告書を編集し、印刷刊行します。

⑤国や県の河川に関わる機関に提供するとともに県内図書館に寄贈します。

1-3.調査実施体制

当研究会は、埼玉県在住の公益社団法人日本河川協会会員等で構成されています。このため、川にかかわる知識と経験の豊かな会員の能力を活用して、「埼玉の河川名の由来と歴史について」調査委員会を編成しました。これにより、県内を県土整備事務所所管区域ごとに、担当者を定めて調査を実施しました。

調査は、表1-1に示すように、県土整備事務所単位で、全県を 5 つの調査班に分けて実施しました。1つの調査班の担当する範囲が広いので、必要に応じて各班とも班内を分割して担当者を決めて調査実施にあたりました。

1-4.調査の方法

調査の方法は次のとおりです。

  1. 調査対象河川は、埼玉県全域とし、終点(県内最下流)が存在する河川としました。
  2. 資料の確認は、国・県・市の治水関係機関および河川の水辺にかかわる文献・図書、各市町村の資料、その他の参考資料などによりました。
  3. 資料調査のほか、現地調査による確認を行いました。
  4. 資料調査・現地調査のほか、必要に応じて聞き取り調査を行いました。
  5. 調査結果を調査班ごとに調査票(一覧表と個票)にまとめました。

表1-1 調査の範囲と実施体制

■「埼玉の河川名の由来と歴史について」調査委員会(調査報告書編集委員会兼)
代 表 :山口勝義 ・ 相談役 関口吉男
委 員 :佐藤 勝、細田哲也、向田 稔、山田隆弘、吉田成人、大高智之、大山 裕
石田喜代志、福島英雄、新井伸二、鈴木隆史、(各班長)
■調査の範囲と体制 ※調査範囲は各県土整備事務所管内 (○は班長)
調査班 調査範囲 区域内市町村 調 査 員
第1班
(11 名)
さいたま・越谷
(10 市 1 町)
さいたま市、川口市、蕨市、
戸田市、春日部市、草加市、
越谷市、八潮市、三郷市、
吉川市、松伏町
〇石田喜代志、池田秀生、唐沢仁士、
成田一郎、山口勝義、久保田浩二、
細田哲也、大高智之、金井正義、
北田健夫、遠藤一浩
第2班
(11 名)
朝霞・川越
(9 市 1 町)
朝霞市、志木市、和光市、
新座市、川越市、所沢市、
狭山市、富士見市、
ふじみ野市、三芳町
○福島英雄、松田勝幸、蓮池 博、
内藤敏夫、飯塚 孝、林 雅知、
小島一男、冨田真樹、杉原直樹、
小宮山節男、栁澤 亘
第3班
(11 名)
飯能・東松山・秩父
(7 市 13 町 1 村)
飯能市、入間市、坂戸市、
鶴ヶ島市、日高市、毛呂山町、
越生町、東松山市、滑川町、
嵐山町、小川町、川島町、
吉見町、鳩山町、ときがわ町、
東秩父村、秩父市、横瀬町、
皆野町、長瀞町、小鹿野町
○新井伸二、小林一夫、宮田信一、
木内勝司、小林安雄、水村正和、
松本久司、森田好一、酒巻和彦、
川辺隆浩、橋本一義
第4班
(15 名)
本庄・熊谷・北本
(7 市 5 町)
熊谷市、深谷市、寄居町、
鴻巣市、上尾市、桶川市、
北本市、伊奈町、本庄市、
美里町、神川町、上里町
○鈴木隆史、中野 毅、宇野 隆、
石島 威、原 正明、古郡重治、
柳沢一正、佐藤 勝、荻野隆一、
向田 稔、澤石久巳、大嶋光男、
堀部正文、大山 裕、大島利彦
第5班
( 8 名)
行田・杉戸
(7 市 2 町)
行田市、加須市、羽生市、
久喜市、蓮田市、幸手市、
白岡市、宮代町、杉戸町
〇山田隆弘、江幡禎則、小板橋剛、
関口吉男、黒川雅彦、笠原治夫、
野川達哉、海老原正明

5 班 (56 名)
埼玉県全域 40 の市、22 の町、1 つの村 56 名の調査員

 

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