「明治期の低湿地データ」の整備範囲を拡大しました
2021-09-01 国土地理院
本日、土地の液状化との関連が深い区域である「明治期の低湿地データ」について、これまで公表していた三大都市圏周辺及び静岡地区に加え、全国の主要都市周辺についても公開します。このデータは、明治期に作成された地図から、河川や湿地、水田・葦の群生地などの区域を抽出したもので、液状化を含めた土地の災害リスクの高い場所がわかります。身近な場所の液状化リスクなどを知り、地震等に備えましょう。
国土地理院は、明治中期以降、近代測量技術により我が国の基本図を整備し、更新してきました。明治中期~後期には主要な都市部周辺では、縮尺2万分1の地図が整備されました。これらの地図に表示されている当時の土地利用記号を基に、低湿地と考えられる区域を抽出し、現在の地図と重ね合わせたものが「明治期の低湿地データ」です。
地理院地図に表示された明治期の低湿地データの一部(富山県富山市)
現在は大規模な人工改変による都市化が進み、元の地形や地盤の状況がわかりにくくなっています。一般に過去に低湿地であった場所は、地震による液状化との関連性が深いとされています。
「明治期の低湿地データ」を現在の地図と重ね合わせることによって、液状化を含めた土地の災害リスクの高い場所を知ることができます。
これまで三大都市圏周辺及び静岡地区のデータを公表しましたが、今回整備範囲を拡大し、広島市や福岡市など、22か所のデータを新たに公表します。
身の回りの災害リスクを知り、防災意識を高めていただく一助になればと考えています。
※なお、データ作成に使用した明治期の2万分1地図のうち古いものは、地図作成時の位置の基準となる三角点が整備される前に作成されたため、「明治期の低湿地データ」の位置は、場所によってはかなりの誤差(最大100m程度)を含んでいることがありますので注意が必要です。
明治期の低湿地データのホームページ:https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/lc_meiji.html
明治期の低湿地データを観る(地理院地図):https://maps.gsi.go.jp/#6/35.348390/137.717285/&base=std&ls=std%7Cswale&blend=1&disp=11&lcd=swale&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m
添付資料
資料1 明治期の低湿地データ整備範囲図(PDF形式:307KB)
資料2 明治期の低湿地データの公開区域・面積(PDF形式:94KB)
資料4 明治期の低湿地データの表示例(PDF形式:3.2MB)
問い合わせ先
国土交通省 国土地理院
応用地理部 地理調査課長 齋藤 俊信
応用地理部 地理調査課長補佐 吉武 勝宏