国総研レポート2020
1.はじめに
近年、自然的インパクトが局地化・集中化・激甚化していることが認識され、ハード・ソフト対策を統合
し、被害を最小化するための取組みが一層強く推進されてきている。その有力な手段の一つとして、国土交
通省では、平成20年に TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を創設し、被害の発生・拡大の防止や被災地の早期復旧等を目的として、活動を積み重ねてきている。
2.国総研の技術支援活動
国総研では、災害直後より被災地の地方公共団体や地方整備局等からの要請に対し、迅速に専門家を派遣し、技術的支援を行っている。派遣された専門家は、日々の研究等による蓄積をバックボーンにして、判断がより複雑あるいは難しい事象や被害を対象に、被災原因の究明、復旧・復興計画の検討、対策の実施についての技術的助言等を行っている。令和元年度の派遣実績を表に示す。
これらの専門家派遣の一部は TEC-FORCE『高度技術指導班』として活動している。
令和元年度は、台風第15号、第19号における下水道施設被害調査、堤防決壊箇所現地調査、土砂災害調査等をはじめ、様々な被災に対応する分野の専門家を派遣した。
また、自主調査も積極的に行い、防災・減災に関する技術力向上も図ってきた。
3.おわりに
国総研では、TEC-FORCE や自主調査等の形態を問わず、高度な技術的支援を通じて、被災地の復旧に貢献するための専門家を継続的に派遣している。
なお、TEC-FORCE については、令和元年台風第19号に対する活動が評価され、令和2年3月に国土交通大臣表彰を受けた。また、国総研からも隊員を派遣した平成30年7月豪雨及び平成30年北海道胆振東部地震については、国土交通省全体の TEC-FORCE 活動に対して、令和元年防災功労者内閣総理大臣表彰を令和元年9月に受けた。
表 令和元年度専門家の派遣実績