首都の要衝幹線道路の拡幅を通じ、交通・物流の円滑化に貢献
2018年3月1日 国際協力機構
署名式の様子
国際協力機構(JICA)は、2月28日、ダルエスサラームにて、タンザニア連合共和国政府との間で、「第二次ニューバガモヨ道路拡幅計画」を対象として37億8,200万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。
本事業は、ダルエスサラーム市において、ニューバガモヨ道路(モロッコ交差点-ムウェンゲ交差点区間、約4.3キロメートル)を2車線から4車線へ拡幅することにより、渋滞の緩和を図り、同市の物流円滑化に貢献するものです。
ダルエスサラーム市は人口約436万人(2012年)を抱えるタンザニア経済の中心都市であり、2002年から2012年の10年間には年率平均5.8パーセントで人口が急激に増加しました。人口の増加傾向は今後も続くと予想されており、2027年には1,000万人を超える見込みです。また、同国の自動車登録台数も、2001年から2010年に年率平均7パーセントで増加する等、交通量も大きく増加していますが、同市の道路網の整備は追いついておらず、交通渋滞が大きな問題となっています。
本事業の対象であるニューバガモヨ道路は、居住エリアが拡大しつつあるダルエスサラーム市北部と中心部を結ぶ幹線道路です。もともと全区間にわたり2車線(片側1車線)道路で、深刻な交通渋滞が発生していました。そこでJICAは、無償資金協力「ニューバガモヨ道路拡幅計画」(2010年~2014年)を通じて、ムウェンゲ交差点-テゲタ区間(12.9km)の拡幅(4車線化)を支援しました。本事業では、未だ2車線のままとなっているモロッコ交差点-ムウェンゲ交差点区間(約4.3キロメートル)を4車線へ拡幅します。また、雨期に冠水する箇所が多いことから、排水設備も整備します。
本事業により、同区間を走行する車の平均速度(ピーク時間帯)が3キロメートル/時から40キロメートル/時へ改善することが見込まれます。また、1年あたり30日程度発生している道路の冠水もなくなると想定されています。
JICAは、2010年から2017年にわたり、技術協力「ダルエスサラーム都市交通改善能力向上プロジェクト」および同フェーズ2により、同市の都市交通改善に資する関係機関の能力強化を支援してきました。さらに、開発計画調査型技術協力「ダルエスサラーム都市交通マスタープラン改訂プロジェクト」(2016年~2018年)により、2040年を目標年次とした都市交通マスタープランの改定を支援中であり、同市の都市交通の改善を包括的に支援しています。
【案件基礎情報】
国名 | タンザニア連合共和国 |
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案件名 | 第二次ニューバガモヨ道路拡幅計画 (The Project for Widening of New Bagamoyo Road (Phase 2)) |
実施予定期間 | 37ヵ月(詳細設計・入札期間含む) |
実施機関 | タンザニア道路公社 |
対象地域 ・施設 |
ダルエスサラーム市、ニューバガモヨ道路 (モロッコ交差点-ムウェンゲ交差点区間) |
具体的事業内容 (予定) |
① 施設整備 ニューバガモヨ道路対象区間 (約4.3キロメートル)の拡幅(4車線化)、 排水設備整備(約13キロメートル)、 副道整備(約4キロメートル) ② コンサルティング・サービス 詳細設計、入札補助、施工監理 |