(NREL Determines Cheaper Path to High-Octane Gasoline)
2019/7/8 アメリカ合衆国・国立再生可能エネルギー研究所(NREL)
・ NREL が、ハイオクガソリンをメタノールから生成するより安価な技術を開発。基礎科学と経済分析を駆使し、リグノセルロース系バイオマスから生成するバイオ燃料の生産コスト削減を目指した本研究は、メタノールを中間体としたバイオリファイナリーの開拓に、新たな可能性を見出す。
・ 新技術では、まず変換に一番コストがかかる箇所を特定した後、メタノールを中間体としたバイオ燃料生成コスト削減の方法を検討した。従来の技術では、メタノールからバイオ燃料への変換コストは 1 ガロンにつき約1米ドルであったが、新技術では、60 セントから 70 セント、最高で 38 セントで生成可能。
・ 従来のバイオ燃料生成の技法は、多段階プロセスと高温な温度を必要とするため、石油ベースの燃料と比較すると、コスト高で低グレード、かつ少量しか生成できない。研究に際してはまず、燃料に不可欠な炭化水素の構成要素である水素が不足していた。そこで、遷移金属の添加が有効ではないかと仮定、触媒に銅を添加することにより、38%の収率と 29%のコスト削減が得られた。
・ さらに新技術の製造過程は、炭素効率性がより高いガソリンを生成することにつながり、コスト削減率が最小であったとしても、製品の価値は高まる。
・ 本技術は、例えば使用する炭素燃料がバイオガスや産業廃棄物から生成されたものである場合、エタノール生産者と米再生可能燃料クレジットを競合したり、天然ガスや固体廃棄物を使用して合成ガスを生成する既存のメタノール製造工場とも互換性があるなど、企業にとっては生産コスト面以外にもメリットが見込まれる。
・ 本研究は、米国エネルギー省内の Bioenergy Technologies Office および Chemical Catalysis for Bioenergy Consortium より資金を得た。
URL: https://www.nrel.gov/news/program/2019/nrel-determines-cheaper-path-to-high-octanegasoline.html
(関連情報)
Nature Catalysis 掲載論文(フルテキスト) Methanol to high-octane gasoline within a market-responsive biorefinery concept enabled by catalysis
URL: https://www.nature.com/articles/s41929-019-0319-2
<NEDO海外技術情報より>