2023-09-05 国土技術政策総合研究所
国総研資料 第 1248 号
【概 要】
将来気候における高潮や高波のリスクを評価し,港湾地域での気候変動適応策を実施することが重要である.これらのリスクを評価するためには, 高潮や高波の極値を推定するだけでなく,それらの極値の不確実性を評価する必要がある.
本研究では,将来の高潮及び高波について,将来気候の海水面温度(SST:Sea Surface Temperature)パターンの違いに伴う認識論的不確実性及び台風のランダム性に伴う 偶然的不確実性の2つの不確実性を評価した.さらに,それら評価結果に基づいて,気候変動を考慮した港湾施設の設計への活用に資することを目的に,不確実性を考慮した将来の潮位偏差及び波高の推定手法を提案した.
【担当研究室】
港湾・沿岸海洋研究部 港湾・沿岸防災研究室
【執 筆 者】
岡本侃大,百海郁弥,本多和彦
研究資料全文
17,007KB
目 次
1. まえがき
2. 使用データ
3. 将来の気候条件予測に伴う高潮及び高波の認識論的不確実性
3.1 認識論的不確実性
3.2 2 標本コルモゴロフ-スミルノフ検定
3.3 検定結果
4. 台風特性のランダム性に伴う高潮及び高波の偶然的不確実性
4.1 偶然的不確実性
4.2 ブートストラップ法
4.3 ブートストラップ法の適用結果
5. 不確実性を考慮した将来の潮位偏差及び波高の推定
6. まとめ
7. あとがき
参考文献
付録A 将来気候及び現在気候における潮位偏差の推定誤差及び潮位偏差比
付録B 将来気候及び現在気候における波高の推定誤差及び波高比