国総研資料 第 1001 号 2018/01
【概 要】
「港湾の施設の技術上の基準・同解説(平成19年)」1)において, L1地震動に対する直杭式桟橋の固有周期や照査用震度は,地盤が弾性体であると仮定し骨組解析を介して求める手法が示されている.しかしながら,強い地震動に対しては地盤を弾性体と仮定することはできず,地盤剛性が低下すると考えられる.
このため,本研究では直杭式横桟橋の照査用震度算出手法に対し,地震動に伴う地盤の非線形性を考慮した補正法について検討する.まず,地震作用時における桟橋固有周期や地盤剛性の変化を地震応答解析により評価し,その関係性を整理する.これにより,地盤剛性の初期値からの低下の程度を入力パラメータとする固有周期算出式の補正法を提案する.さらに,二次元地震応答解析における上部工加速度時刻歴と,一次元地震応答解析における仮想固定点周辺地盤の加速度時刻歴から求められる加速度応答スペクトルを比較することで,照査用震度を求める際に適用すべき減衰定数の値についても検討する.これらを取りまとめることで,地震動に伴う地盤非線形性を考慮した直杭式横桟橋の照査用震度算出方法を提案する.
【担当研究室】
港湾施設研究室
【執 筆 者】
勝俣優,福永勇介,竹信正寛,宮田正史,小濱英司
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn1001pdf/ks1001.pdf