2022-09-09 国土技術政策総合研究所(国総研)
国総研資料 第 1214 号より
【概 要】
港湾施設である桟橋の設計では,レベル1地震動に関する変動状態の性能照査において,加速度応答スペクトルを用いて照査用震度を設定する際に,固有周期を算出する必要がある.一方で,現行港湾基準においては,桟橋の固有周期を算定する際に,管内水質量および付加質量の考慮が必要となる条件や考慮方法が明示されていない.
本研究では,桟橋構造を有する耐震強化施設の設計事例(20断面)を対象として,管内水質量および付加質量の考慮の有無による固有周期の変化を,数値解析(FLIP)に基づく検討結果を用いて考察した.また,設計実務で活用できるように,固有周期の比と重量比の関係を定式化して,重量比を説明変数として固有周期の変化を予測するモデルの構築を行った.その上で,設計実務における照査用震度の算出の際に,管内水質量および付加質量の影響を考慮する際の手順について示した.
【担当研究室】
港湾施設研究室
【執 筆 者】
菅原 法城,竹信 正寛,野津 厚,長坂 陽介,宮田 正史