インフラ管理の負担軽減、災害現場の状況確認などを防災DXで支援
2022-03-17 沖電気工業株式会社
OKIは、橋りょうなどインフラ構造物(注1)の劣化を予測・予防保全できるインフラモニタリングサービス「monifi™(モニフィ: MONItoring service For Infrastructure)」の販売を2022年4月より開始します。本サービスは、OKIが取り組む「防災DX」の一つで、多種多様なセンサーで取得したインフラ構造物の振動や河川の水位など現場の情報を収集・分析することにより、インフラの劣化進行や災害状況を予測し、最適な予防保全を可能にします。
本サービスを同時発表の「ゼロエナジー高感度カメラ」や各種センサーと連携させることで、広範囲でのインフラの巡回点検の自動化、遠隔地からの災害現場の目視確認など、総合的な防災DXが実現できます。またクラウドサービスとして提供することから、小規模なモニタリングも可能で、インフラ構造物の安全・安心を維持する高度なマネジメントを、必要な場所ですぐに実現できます。OKIは本サービスを、インフラを保有・管理する道路・鉄道などのインフラ管理者や、防災・減災に取り組む官庁・自治体などに販売します。
インフラモニタリングサービス「monifi」画面イメージ
高度経済成長期以降に建設されたインフラ構造物は老朽化が進み、国は、予防保全型インフラメンテナンス(注2)を推進しています。既存インフラの小規模補修による長期利用を目指し、予防保全段階(注3)となったインフラに対し、詳細調査や追跡調査などの調査や、必要に応じた補修を行い、維持管理のトータルコスト削減を推進しています。また、近年の激甚化する豪雨など自然災害に対し、リアルタイムな異常検知を実施し、インフラが安全に利用できるか判断することが求められています。こうした予防保全や異常検知の手段として、現場のデータを収集して遠隔からインフラを監視するモニタリングシステムへの期待が高まっています。しかし、従来のモニタリングシステムは導入までにコストや時間がかかり、かつ収集した計測値を予防保全に役立つデータとして活用するための変換や分析が難しいことが、導入・普及の障壁となっていました。
OKIはこれまでもさまざまなインフラに対し、モニタリングを実施するためのセンサーなどを提供してきました。その実績の中で得たお客様の声をもとに開発したのが「monifi」です。「monifi」は、インフラなどに設置された多種多様なセンサーから取得した情報から、「monifi」に実装されたモニタリング手法(注4)により、インフラの状態を簡単に「見える化」します。また、自然災害後、インフラが安全に利用できるか判断するため、劣化進行を遠隔地からモニタリングし、危険作業を軽減するとともに、利用継続や利用再開するための追加調査の要否判断を支援します。そして、クラウドサービスとして提供することより、センサー1台からの小規模なモニタリングも可能です。インフラ構造物の安全・安心を維持する高度なマネジメントを、必要な場所ですぐに実現できます。
OKIは、インフラ構造物の計測情報や視覚情報、各情報の分析や関係者との共有により「防災DX」を実現し、「老朽化対策」や「自然災害対策」の一層の高度化、効率化に取り組みます。
サービス構成のイメージ
「monifi」サービスイメージ図
主な特長
- Agility(俊敏性):始めやすい①計測値のモニタリング手法を標準搭載
センサー情報の収集だけでなく、モニタリング基準(注5)に基づいた各種のモニタリング手法を提供します。
②1台のセンサーからモニタリング可能
センサー1台からインフラのモニタリングが可能です。 - Scalability(拡張性):拡張しやすい①モニタリング規模の拡張性
多数のセンサーを接続可能です。局所的モニタリングから大規模な防災DXまで対応可能です。
②モニタリング手法の拡張性
OKI製のセンサー機器のほか「MQTT(注6)」に対応する他社製のセンサー機器も接続可能です。また、センサー計測値を分析する手法はアドオンで拡張が可能です。 - Usability(有用性):把握しやすい①各現場に応じた自由度の高い画面構成
モニタリング状況を表示する画面を利用者ごとにカスタマイズできます。表やグラフ形式に加え、GISや図面重畳など位置的な状況把握が容易な表現形式を採用しています。利用者の視認性を高め、インフラの状況を多面的に把握することが可能です。
②メールによる情報共有
センサーでの計測値があらかじめ設定した閾値に達した際に、指定したメールアドレスへ通知するなど、センサー情報やモニタリング結果を関係者で共有できます。
用語解説
注1:インフラ構造物
道路、鉄道、上下水道、港湾、通信、エネルギーなどに関する公共的な機能を有する構造物。
注2:予防保全型インフラメンテナンス
大規模な更新や建替え工事ではなく、小規模な補修工事を繰り返し、費用を抑制しながら安全・安心なインフラ環境を維持することを目指している。
注3:予防保全段階
構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態。
注4:モニタリング手法
センサー機器の接続、センサー情報の収集およびセンサー計測値を分析する総合的な手法。
注5:モニタリング基準
モニタリング技術研究組合(RAIMS)のガイドラインに基づく閾値をモニタリング基準として採用。RAIMSは道路・高速道路の管理者、ゼネコン、建設コンサルタント、電気・通信メーカー、センサー・設備メーカーと各分野の専門家との相互扶助組織団体。RAIMSの成果は国立研究開発法人土木研究所より公表されている。
国立研究開発法人土木研究所構造物メンテナンスセンター CAESAR (国立研究開発法人土木研究所構造物メンテナンスセンターサイトへ移動します)
第4408号 土木構造物のためのモニタリングシステム活用ガイドライン(案) [97MB] (国立研究開発法人土木研究所サイトへ移動します)
注6:MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)
メッセージサイズが小さく、通信経路が不安定な個所でも利用でき、必要な商品電力も抑えることができる通信プロトコル。センサーネットワークなどIoT分野に使用することが適している。
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