現場試行要領(案)の策定と現場における試行の取組
2021-07-08 国土交通省大臣官房技術調査課,国土技術政策総合研究所
デジタルカメラ等で撮影したデータにより、構造物の配筋に関する各種測定事項を確認する技術について、試行要領(案)に基づき全国の直轄工事において試行し、ICT 活用による業務効率化を図ります。
従来、土木工事の鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の配置については、発注者立会のもと、段階確認が行われていましたが、本計測技術によりデジタルカメラや動画撮影したデータから鉄筋径、鉄筋間隔等の各種数値計測と併せて、計測状況や結果を同時に遠隔地の発注者へリアルタイムで提供することも可能となります。これにより、土木工事における品質管理の高度化等が図られ、現場の省力化・省人化への効果が期待されます。
今般、全国の直轄工事現場において活用を進めるため、「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測に関する試行要領(案)」を作成しました。
上記試行要領(案)は、技術開発に携わったコンソーシアムの技術だけでなく、類似技術の使用も可能となるような内容となっています。今年度より試行を開始し、令和5年度を目標として社会実装を目指します。
※デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測に関する試行要領(案) https://www.mlit.go.jp/tec/content/001619475.pdf
なお、国土交通省では、内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム(通称:PRISM)の一環として、2018 年度より「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に取り組んでいます。
本計測技術は、同プロジェクトの中で「建設業者」と「建設業者以外の者(IoT 関連企業、大学等)」がコンソーシアムという形式でチームを組むことにより平成 30 年度から開発・検討された技術です。
※建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000062.html
また、国土技術政策総合研究所(茨城県つくば市)の建設 DX 実験フィールドについても今後、技術検証や研究開発等の場として提供していきます。 http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20210628_2.pdf
<問い合わせ先>国土交通省 大臣官房技術調査課
担当:栗原・長谷川
国土技術政策総合研究所 社会資本マネジメント研究センター社会資本システム研究室担当:市村・鈴木