2025-10-02 運輸安全委員会

<関連情報>
- https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=2033
- https://jtsb.mlit.go.jp/railway/rep-acci/RA2025-5-1.pdf
- https://jtsb.mlit.go.jp/railway/p-pdf/RA2025-5-1-p.pdf
概要
いすみ鉄道株式会社のいすみ線大原駅発上総中野駅行き2両編成(ワンマン運転)の下り第5D列車の運転士は、令和6年10月4日(金)08時06分頃、国吉駅~上総中川駅間の半径300mの右曲線を速度約41km/hで走行中に強い横揺れを感じたため、非常ブレーキを使用して列車を停止させた。
停止後に運転士が降車して確認したところ、先頭車両の後台車全2軸及び、後部車両の全4軸が左側に脱線していた。
列車には、乗客104名及び運転士1名が乗車していたが、負傷者はいなかった。
原因
本事故は、列車が半径300mの右曲線を走行中に、軌間が大きく拡大したため、先頭車両の後台車第1軸の右車輪が軌間内に落下し、以降の先頭車両後台車第2軸及び後部車両の各輪軸も追随して右車輪が軌間内に落下したことによるものと考えられる。
軌間が大きく拡大したことについては、同曲線中の静的軌間変位が大きかったことに加えて、軌道整備基準値を超える通り変位があり、さらに、腐食やひび割れが発生しているまくらぎが連続していたため、列車走行時の横圧によるレール小返り等で軌間が動的に拡大したことによるものと考えられる。
静的軌間変位が大きかったことについては、再検査での測定値が小さくなる誤差が発生していた可能性が考えられ、定期検査で把握した必要な軌間変位の補修ができていなかったことによるものと考えられる。
腐食やひび割れが発生しているまくらぎが連続していたことについては、定期検査等で脱線の危険性がある連続した不良まくらぎを把握し、それに応じたまくらぎの交換又はPCまくらぎ化が十分に行われていなかったことによるものと考えられる。

 伊予鉄道城南線(軌道線) 警察署前停留場~勝山町停留場間(複線)で発生した重大インシデント[車両障害](令和6年11月6日発生)](https://construction.tiisys.com/wp-content/uploads/2025/10/スクリーンショット-2025-10-30-163519-500x270.png)