2024-11-08 国土技術政策総合研究所
国総研資料 第 1292 号
【概 要】
日本では1960年代から2000年代に整備された港湾施設が多く,その老朽化が進行している. 2041年には,建設後50年を超える岸壁の割合は70%程度に達すると見込まれている.その一方で日本全体の 人口は2008年の1.28億人をピークに減少に転じた.特に土木関係においては有効求人倍率が5を超え るなど,人手不足が顕著である.そのような背景から,日本ではUAVなどの新技術を用いた港湾・沿岸の 施設点検の効率化が望まれている.
本研究では,港湾施設の点検の効率化・高度化を目的に,日本国内の3港でUAV(Unmanned Aerial Vehicle)空撮を行ってデータを取得し,UAV空撮やSfM(Structure from Motion)処理に関する条件が施設の 三次元形状復元へ与える影響を調査した.具体的には,ジオリファレンス(地理情報の付与・参照)の方法, 海面の有無,撮影高度を変化させて54ケースでSfM処理を行い,同処理の成否と検証点誤差で それぞれの条件の結果への影響を評価した.ジオリファレンスの方法と撮影高度の影響は大きかったが, 海面の有無の影響は比較的小さかった.
【担当研究室】
港湾業務情報化研究室
【執 筆 者】
里村大樹
研究資料全文
全 文3,584KB
目 次
1. はじめに
1.1 背景と目的
1.2 構成
2. UAV点検診断システムの概要
3. データ取得
3.1 使用UAV
3.2 調査対象港湾
3.3 対空標識のGNSS測位
3.4 海面推定・除去
3.5 SfM処理
4. UAV空撮条件とSfM処理の条件が三次元形状復元に与える影響の分析
4.1 変化させた条件と分析の評価指標
4.2 ジオリファレンスの方法が三次元形状復元に与える影響
4.3 海面の有無が三次元形状復元に与える影響
4.4 撮影高度が三次元形状復元に与える影響
4.5 調査場所(港)が三次元形状復元に与える影響
5. おわりに
5.1 主要な結論
5.2 今後の課題
謝辞
参考文献
付録A:用語集
付録B:SfM処理結果