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降灰路面で車両がスタックするメカニズムを解明した研究論文を発表しました

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2023-01-23 防災科学技術研究所

降灰路面で車両がスタックするメカニズムを解明した研究論文を発表しました

国立研究開発法人防災科学技術研究所と山梨県富士山科学研究所は、火山灰が堆積した道路(降灰路面)上の車両の走破性能に関して走行実験を実施し、車両の走破性が車両の駆動方式と降灰の厚さに大きく左右することと、降灰による車両スタックのメカニズムを明らかにしました。

1.内容:詳細は、別紙資料による。
防災科学技術研究所と山梨県富士山科学研究所は、次世代火山研究プロジェクトにおいて、火山災害対策技術のための情報ツール開発を行っており、降灰被害予測や避難支援の情報コンテンツを検討しています。2021年11月に山梨県が開催した“火山灰堆積時における車両走行等の体験事業”に合わせて、降灰路面における車両の基本的な走行性能を定量的・科学的に検証することを目的とした走行実験を行いました。

そこでは、駆動方式の異なる9台の市販車両を用いて走行実験を行い車両走行への影響を分析しました。実験の結果、降灰路面において車両の走破性能が左右される要因と車両がスタックするメカニズムが明らかとなりました。その成果は、英科学誌「Scientific Reports」に2023年12月6日付けに掲載されました。

降灰路面における車両走破性のポイント
  • 車両の駆動方式と降灰の厚さに大きく左右されました。
  • 降灰の厚さが約10cmを超えるとスタックしてしまう二輪駆動車に対し、全輪駆動車は明らかに高い走破性と安定性を発揮しました。
  • 二輪駆動車にタイヤチェーンを装着しても走破性は向上しませんでした。

実験の結果から、火山灰堆積時の車両による避難は、渋滞発生だけでなく、降灰によって車両がスタックするリスクがあることが明らかになりました。富士山火山避難基本計画に定める「徒歩避難」が、より安全かつ速やかな避難を可能にすると期待されます。

今後、さらなる火山災害対策のための情報ツールの実用化を目指して、研究と開発を進めていきます。

なお本成果は、英科学誌「Scientific Reports」に12月6日付けで掲載されました。

タイトル:Evaluation of vehicle running performance on ash-covered roads

著者:Tatsuji Nishizawa, Mitsuhiro Yoshimoto, Tomohiro Kubo, Ryo Honda, Setsuya Nakada, Nobuko Kametani, Yasuhiro Ishimine, Shinya Yamamoto

URL:https://www.nature.com/articles/s41598-023-47122-8

別紙資料はこちら (1.6MB)

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