ODA(The Project for the Improved Extension for Value-Added Agriculture in Palestine (EVAP Phase 3))
- 国名 パレスチナ
- 事業 技術協力
- 課題 農業開発/農村開発
- 協力期間 2022年1月~
プロジェクト紹介
パレスチナの農業セクターは、紛争影響下での食料安全保障、コミュニティ再建、農地保全、治安の安定、さらには経済発展において重要な役割を果たしています。農業庁は、農業の持続的な発展を目指して農業普及活動に取り組んでいます。しかし、パレスチナの農業生産は、近隣諸国と比較して生産性が低く、さらに紛争地特有の課題も多く存在しています。また、紛争の影響で普及員がアクセスできない農家や、広範囲に移動しながら放牧を行う遊牧民、また宗教的慣習でグループ普及に参加しづらい女性農家など、対面での農業普及では支援が届かない農家層も多く存在しています。
このプロジェクトでは、農業庁の普及実施体制と普及員の能力を強化し、市場志向型の営農技術指導を実践できるようにすることを目指しています。特に、対面での農業普及に参加しづらい農家層を対象に、多様な農家が生計向上のための普及支援を受けられるよう取り組んでいます。また、農家同士の交流を通じて学び合う機会を推進し、農家間での普及活動も積極的に実施しています。
パレスチナの農業には、一般的な農業生産性の低さに加え、紛争特有の問題も多く、農家の心理にも影響を与えています。本プロジェクトでは、農家への丁寧なインタビューや現地調査を通じて、紛争地特有の課題を把握し、改善策を実施しています。また、同じ紛争地でも経営改善の工夫をしている農家と話すことで、対象農家に前向きな気持ちを持ってもらうよう支援しています。紛争という大きな外部要因があるパレスチナでは、特有の課題と農家のメンタリティを十分に理解し、それに基づいた普及手法を考案し、実施することが重要です。
事業評価
(出典:外務省ODAホームページ、JICA)